MとAのミュージカル・ラン日記 ♪♪♪

音楽を聴きながら走る市民ランナーのブログです。ランと音楽以外のスポーツについても書きます。今は大谷翔平に夢中です!

赤坂宿経由昼飯大塚古墳往復ラン その3 「美濃赤坂駅、赤坂宿を巡る」

2013-05-11 | ファンラン&ランジャニ(マラニック)
美濃赤坂駅にて。 

 走り始めて1時間ちょっと。美濃赤坂駅に到着。



 なかなか趣のある駅舎、駅名を掲げる看板に歴史を感じる。



 駅の中もきれいに保たれている。列車の到着を待つ人は1人もいない。

 どこからか何かをくちばしにくわえてツバメが一羽やってきて、天井近くにとりついた。



 どこにも巣などはないようだ。やがてもう一羽がやってきて同じくとりついたが、距離を置いて違う面にとまった。わたしを警戒してかまもなく2羽とも外へ飛んでいってしまった。

 無人のホーム。花壇はわりときれいに手入れがされていた。



 一応終着駅。先はない。そういう駅の数はそう多くないだろうと思う。たいていはどこかへつながっているのだ。



 「駅」「鉄道」というと、いまどき、村上春樹の最新小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が思い浮かぶ。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
村上 春樹
文藝春秋


 駅はたくさんの人の人生と深くかかわる、毎日のように人が行き来する(今はともかく少なくとも以前はしていたろう)。駅にはその街の匂いや風景や住む人の心根が分かちがたく結びついてしまう。
 この駅のたたずまいは、悪くない。

 駅舎のすぐ前にあるトイレを借りた。新しくて清潔だった。このあたりを走るランナーは覚えていて損はない。

赤坂宿も走る 

 駅から赤坂宿のメインストリート(旧中山道)まではもう目と鼻の先。距離にして300mほど。県道に復帰するとまもなく左に木製黒塗りの長い壁が続く。でかいお屋敷だ。右側には、まるで飛鳥時代を思い出させるような朱塗りの土壁。鮮やかな日本らしい赤(朱色)に目を奪われる。



 いずれ中山道の宿場町として栄え、明治以降は金生山でもって富を得た富豪か名士の屋敷なのだろう。

 旧中山道と突き当たった角に「赤坂宿」の碑があった。



 初戦昔の宿場町。おもだった史跡を見てもあっという間だ。上の写真の左に見えるマップ。



 さきほどの黒くて長い壁を持つお屋敷のほうは、観光地図にも案内のある矢橋家の屋敷だった。でかい。



 せっかくなので、東の端にある赤坂港まで行ってから道を引き返して昼飯大塚古墳に向かうことにする。といってもここから300mほどだけど。

 途中、赤坂宿本陣跡にも立ち寄る。ここも本当に「跡」しか残っていない。



 右の黒い石には「和宮之碑」とある。小説やドラマなどにしばしば登場する和宮(考明天皇の異母妹。NHK大河ドラマ『八重の桜』で市川染五郎が演じていたのが考明天皇。公武合体のためのいわば人質として徳川家茂の御台所となるべく降嫁した)が嫁入りのため京都から江戸に向かう際に宿泊したのが赤坂宿で。その際、古い家屋や空き地などが見栄えが悪く畏れ多いとして建てなおされたそうで、「嫁入普請」と呼ばれ今もそのあとが残っている(鍵がかかっていた)。

 この皇女和宮の降嫁の行列を再現する「中山道赤坂宿まつり」というのが秋に行われる。YouTubeにそのようすがアップされていて、この町の様子を見ることができるので、興味のある方はどうぞ。

第20回(2011年) 中山道赤坂宿まつり(皇女和宮行列)


 赤坂港跡は親水公園になっていて、ほぼ昔の面影は残っていない。



 ちょっとモダンな建物の資料館がある。



 港とは関係ないが、道の反対側には古風な「火の見やぐら」がある。



 正直に言うと、ちょっと拍子抜けがした。連休中にもかかわらず観光客はほぼいないのもやむをえまい。まあでも、これといった素晴らしい「見もの」がなくても、初めての場所に足を踏み入れるのは、それなりに面白くもある。まして歴史のある場所なら尚のこと。

 すでに走り始めて1時間半が経過してしまった。見るべきところもさしてないので港で折り返して、少しスピードを上げて昼飯の古墳を目指す。



 港から400~500m、右に妙法寺を過ぎてすぐ、子安神社へ向かう案内板がある。その同じ道を行くと、化石館、さらに「初こくぞう」とよばれる火渡りの護摩供養で有名なこくぞうさん(明星輪寺)にも行けるようだ。金生山の山頂にあり、なかなか急な坂道を登っていかなくてはならない。

 子安神社まではわずか100m。化石館までは400mあまり。明星輪寺への行程はさすがに修行の道で1.2kmほどある。坂錬にはもってこいかもしれない。
 ちなみに『化石館』も一度訪ねてみたいと思っていて、今日も時間があれば本当は寄ってみたかった。金生山は昔から化石の宝庫としても知られているのだ。

 が、今日はどれもやめて、古墳への道をひた走る。


 〉その4へ続く

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赤坂宿経由昼飯大塚古墳往復ラン その2 「謎の線路を横切って」

2013-05-11 | ファンラン&ランジャニ(マラニック)
3本の東海道線 



 その1の続き。最後に載せた写真を再掲。東海道線の架線が写っている。実はここで線路を3つ横切ることになる。
 1本は、東京から名古屋、そして大垣を経て京都、大阪へと向かう在来線「東海道本線」。盛り土をして少し高いところを走っているのがそれ。

 この写真ではわからないが、あと2つ線路を渡る。
 大垣駅で東海道線から分岐して、荒尾、そして今回経由した終着駅の美濃赤坂とたった2つしか駅のない、かなり特別扱いとも思える通称「美濃赤坂線」(実はここも正式名称は東海道本線となっている)は、この踏切から600mほど大垣より(東)で分岐して北へ向かうので、ここは通らない。

 ではこの2本は何線なのか? 
 答えは「3つとも東海道線」。本線のすぐ南を走る線路は通称「垂井線」と呼ばれているようだが、正式にはやはり東海道線の支線である。
 また、北に大きく迂回する線路がある。こちらはもちろん垂井駅には止まらない。現在この迂回路は貨物列車のほか優等列車!(「急いで走る」特急や急行車両)のみが使用しているそうだ。

 ちょっとネットで調べたら、ここは鉄道ファンの間では有名なスポットらしくて、こちらのブログに写真入りで詳しく解説されている方がいた。※垂井線の謎

 またWikipediaの「垂井駅」の項にもわかりやすい説明があるので興味のある方は参照されたい。

 それにしても、なぜそんなことになったのかよくわからなかった。
 同じくWikipediaの「新垂井駅」の項にその理由が説明されていた。
 なんと第二次世界大戦の影響だそうだ。
 戦時中の物資の輸送力増強のために、現在通称垂井線と呼ばれている下り専用線路とは別に、同じく下り専用の勾配の緩い北側を迂回して走る線路をつくったためだそうだ。合わせて迂回線路に新垂井駅をつくった。現在は廃止され駅舎の跡だけが残っているらしい。

 古い町には、おもいもかけない歴史の綾がつまっているものだなあ。

赤坂宿への道の途中 

 さてコースに戻ろう。
 この踏切を渡ると、県道214号線--それにしても県道の番号などいったいだれが覚えていようか--は、時に離れ時に近づいたりしながら「美濃赤坂線」と並行して走り、美濃赤坂駅の北を通って県道216号(旧中山道)に突き当たる。
 突き当たりに「赤坂宿」の碑があるほか、東西に伸びる旧中山道沿いに名所・史跡が多くあり、西へ足を延ばせば、目的の昼飯大塚古墳に通じている。

 踏切を渡ったところから最初の216号--上述の216号の手前に新しくて道幅も広い216号が横切っていて、行きは交差する下道を通り、帰りは高架となっているその216号を走って市街に戻った--まで1.2㎞。
 高架下を抜けるとすぐ左手に小山がある(勝山?)。山裾には根元から切りとられた竹林と花が咲いていた。





 この紫の風車型の花はツルニチニチソウというようだ。
 ほかにもハルジオン、



 中国原産らしいシャガ(胡蝶花)、



 などが咲いていた。写真はないがツツジも。春、秋のランは、花を愛でるランでもある。



 山の中腹には安楽寺というお寺があり、長く急な階段が続いている。道を挟んで反対側には美濃赤坂線の踏切があった。線路を渡って美濃赤坂駅方面を眺めてみる。



 このあたりから、「赤坂宿本陣跡まで500m」という簡略な案内板を見かけるようになる。その案内板に導かれるように「そんなに近くなら寄ってみようかな」という気持ちになった。
 今回、美濃赤坂駅には立ち寄ってみようと思っていたのだけれど、赤坂宿にはとくに関心がなかった。思えば、クルマで通り過ぎたことがあるだけで赤坂宿にいったい何があるのか知らなかった。
 古く由緒のある町には違いなかったので、ついでにこの際走ってみようという気になっていた。

 ここから駅まではまさしく500mばかり。再び走り始めてすぐ、廃線となった線路を横切る。GoogleMapでは線路がそのまま表示されているが実際にはこの通り。

 写真奥が大垣方面。


 反対側はこんな感じで行きようもない。


 地元の有名企業で、金生山産出の石灰を扱う矢橋工業の敷地にまでつながっていたようだ。

 美濃赤坂駅、赤坂宿はもう目の前だ。


 〉その3に続く
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