A.アドラーの心理学がブームになっていると、
今朝のNHK「おはよう日本」でも特集していた。
昨日の「あさイチ」でも アドラーに学ぶ人づきあい がメインテーマでした。
「現場で使える」アドラー
長田 渚左さん: ノンフィクション作家、岸見 一郎さん、古賀 史健さん の
対談が、今月の新聞に載っていた。抜粋です。
不幸は勇気がたりないから 人生を複雑にするのは自身
反論に応える
長田: 2冊目の「勇気」の出版となりましたね。
岸見: アドラーの理論が他者を操作したり支配したりするために使える、と
誤解した人がかなり多かった。改めなければという気持ちもありました。
長田: 『幸せになる勇気』は教育が中心テーマとなりました。
岸見: アドラーは「人類の未来は教師の手に委ねられている」と断言しています。
ただ、学校の教師だけではなく、共同体の中では誰もが教育者であり、
生徒でもあります。そうした広い意味で教育をとらえた本となっています。
長田: 幸せになるのに勇気がいるのかって、タイトルに思わず
引きつけられてしまいました。
岸見: アドラーの心理学は「勇気の心理学」です。
不幸は過去や環境のせいではなく、その「勇気」が足りないからだと
いうことに気づいていただければと思います。
中台韓でも
岸見: 例えば「家庭環境が悪かったから、暗い性格になった」
という人がいます。実際は「暗い性格」の言い訳として「悪い家庭環境」を
持ち出したにすぎない。過去が『いま』を決めるのではなく、
あなたの『いま』が過去を決めているのです」という哲人の言葉に、
ハッとさせられる人が多いのだと思います。
古賀: アドラーの話は正解のない課題にどう向き合っていくのががテーマとなります。
例えば、幸福とは、自立とは、愛とは一体なんなのだろうかというようなこと。
久しぶりにこうした正解がない課題と向き合い、
自分を見つめなおす機会になったのかなと考えています。
長田: 白か黒かハッキリさせようという風潮が世の中に横行している中で、
どちらでもない中間点にいる自分のことをあらためて考え直すきっかけとなったのですね。
ところで『嫌われる勇気』は中国、台湾、韓国など
アジア地域でもベストセラーになっています。
岸見: 特に韓国で講演会を開くと「どうしたら親孝行ができるのでしょうか」
ということを聞かれます。人生の選択をする時に、例えば仕事一筋で生きる、
結婚はしないでおこうなどと若い人が思っても、親の意見との間で
板ばさみになる。そこで自分と他人の「課題の分離」を説き、
「自分の信じる最善の道を選らぶこと」を推奨するアドラーの思想は、
韓国の若い人の心に強く刺さるのではないかと思っています。
長田: 「人生はシンプルである」という言葉に青年は抵抗します。
古賀: 僕自身、岸見先生が書かれた「アドラー心理学入門」で
その言葉を始めて知りましたが、やはり抵抗感がありました。
そんな単純化できるものなのかと。
岸見: 僕はカウンセリングをしていますが、人生はシンプルではないのだということを
分かってほしい人ばかりです。
「大変ですね」と言ってほしいのです。じっくり話しを聞くと、「聞いてもらえてよかった。
何かせいせいした」といわれます。でも、カウンセリングの前後で何も変っていないのです。
人生を複雑にしているのは、その人自身の選択なのですから。
長田: アドラーは日本ではずっと知られていない存在でしが。
前作を作る時、苦労はなかったのでしょうか。
古賀: こういう本を出版する時は企画書を先に提出して、
企画が通ってから原稿を書き始める。
アドラーは知られていないので企画書で出せば落とされたかもしれない。
だから、先に原稿を作り、編集者に読んでもらいました。
長田: ヒットするという確信があったわけですね。
古賀: 読者に届けなければならない、という使命感みたいなものが強かったです。
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「おはよう日本」でも、「なぜ今、人気? アドラー心理学」のタイトルで
10分くらい取り上げていた。
八方美人にならず、周りに流されず、自分が正しいと思うことを実行する。
人から、どう思われても、自分の価値は変らない。
あるサラリーマンは以前、仕事で行き詰っていたが、アドラーの言葉に支えられた。
※ 周りに認められたいという自己中心的な生き方から、周りに貢献する生き方に。
※ 肩の力を抜いて『自分らしく生きる』。