香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

小さいおうち

2010-08-14 23:31:31 | 本のこと
中島京子さんの『小さいおうち』
芥川賞を読んだあとは、直木賞作品というわけじゃないんだけど
続いて読んでしまった
中島さんの作品は1冊だけ読んだものがあまり印象良くなく
もう読まないだろうなぁと思っていたところ、
今回の直木賞受賞で特集された「王様のブランチ」にての
インタビューを見て、面白そうだなと思ったのと
中島さんのお話や雰囲気が好きだなとも思って読んだ
期待以上に好きになるお話
昭和初期から戦時中まで女中として働いたおうちでの出来事を
80歳を過ぎたいま、回想しながら書いているという設定
それを見る甥の息子や当時の人たちのことなど
淡々と、飄々と語られて行く
お話の中で、戦争中なのに深刻さが足りないと言われるところで
向田邦子さんがエッセーの中で
戦時下、大変な状況ではあったけれども、
わたしたちはちょっとしたことで笑っていた
というようなことが書かれていた事を思い出した
インタビューでもたくさんの資料を読まれたとのことだったけど
ああ、そうだったんだろうなぁと思って読んでいた

赤い可愛い表装をとると、昔の本っぽい表装
お気に入りの本がまた1冊増えました