香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

オリーブ

2012-02-29 23:07:00 | 本のこと
吉永南央さんの『オリーブ』文庫本

 オリーブの木を買ってきた翌日、突然、
 消えた妻。後を辿ろうとする夫は、2
 人の婚姻届すら提出されていなかった
 事実を知る。彼女は一体何者だったの
 か? そして、彼女の目的とは? 
 表題作の「オリーブ」をはじめ、「紅
 雲町珈琲屋このみ」シリーズの著者に
 よる、「大人の嘘」をモチーフにした
 サスペンス作品集


「オリーブ」、「カナカナの庭で」、「指」
「不在」、「欠けた月の夜に」の5編の短編集
5編とも共通して感じたのが、思ってもいない裏切り
何の疑いももたず、自分なりの人生を納得して過ごしていて
思いもよらないことで、人の本心や与えてしまった苦しみを知ったり
悪意を受け止めなくてはならなかったり、
つらいことだから、自分をだまして忘れていたことが
知らない間におおきく成長してしまっていたりと
ちょっとしんどいけど、どうなってしまうのか読むのをやめられない
吉永さんは萩を揺らす雨誘う雨に続き3作目で
わたし、吉永さんの明るくはない小説の世界感がとても好きだと思う

今日は関東地方は雪で大変だったようですね
札幌は晴天で、気温も昼間はプラスになったので、
道路の雪がとけてきていました 皮肉なものですね
明日からは3月、そろそろ春と言いたいです

アカデミー賞

2012-02-28 19:57:06 | 映画のこと
アカデミー賞が発表されましたね
作品賞の『アーティスト』って、サイレント映画なのですね
興味津々 見に行こうかなぁ
『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』も
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』も
『ヒューゴの不思議な発明』も見たいんだけど・・・

昨年のアカデミー作品賞『英国王のスピーチ』を見ました

すっごく面白かったです
歴史を知らないわたしは、この事実が驚きだったし
最後の演説は、ホント興奮でした
ジョージ5世が、ハリーポッターの校長先生で
チャールズ首相が、ハリーポッターではペディグリューだったわ
二人とも、実物の方にとても似ていたような気がします

先週、竣工検査が終わり、今日引き渡しとなった物件に
お祝いで、入り口前ホールに飾る絵をプレゼントしました
 
補修工事も大体終わって,明日から入居が始まります

一緒にやってきた人たちとも、これで解散
ちょっとさびしい気持ちもしますね~

純情ババァになりました

2012-02-26 16:44:44 | 本のこと
あ、いやいや自分のことじゃないです
純情だと思っていないしね
加賀まりこさんの2004年に出版された『とんがって本気』に
加筆修正・再編成された文庫『純情ババァになりました』


加賀まりこさんといえば、美しくてシャキシャキしていて
頭が良くって、格好いい女優さんという認識
宮本輝原作映画『泥の川』での美しさは衝撃的だったし
この頃、年を重ねて「おばあさん」といわれる役でも
やっぱりきれいで素敵だなぁと思っていました
そして、このエッセイを読んで、ますます好きになりました
ご自分のこと、嘘偽りなく語られていますが、
印象深いのは女友達のこと
完璧な人間なんていないんだから、欠点も認めあって
自分の欠点も自覚して、許して、許してもらって、
居心地のいい関係を築いている様子が、ホント羨ましいくらい
たくさんの忘れたくない言葉が溢れていて
手元の文庫本は付箋だらけになりました
 誰かから愛を受けていることを確認しなきゃ不安、
という孤独感は見返りを求めるから起こってくるのでは?

 幸せって特別なことじゃない。自分がちょっと誰かに
親切に出来たり、花が咲いたのを喜べることだと私は思う。

 八十歳過ぎていらっしゃるのにお元気ですね。秘訣は?
なぁーんて無礼ですよ。子供の時の続きなんですから。
三十歳だって弱い方はいます。だって自分なんですから。
どうしてものを比べたがるのかしら。

 のろけではなく、幾つになっても幸せにはなれるのだと。
もしかしたら、空振りで終わっていたかもしれない。
それでもなお、幸せを掴み取ろうとする”握力”を持っていたいと私は思う。

とても元気をもらって、前向きになる素敵なエッセイでした
きっと、これから何回も読んで、
その度に付箋が増えていくエッセイだと思います

さて、これからマンションの総会です
頼りない理事長ですが、司会とまとめ役と、今日は重役です
今まで助けてくれた役員の方々のためにも
今日の総会は、冷静にちゃんと仕事をこなさなくてはと決意
なんて、えらそう・・・実は、もう嫌気さしているんだけど
あと少し、もう一歩、頑張れガンバレがんばれ

セラフィーヌの庭

2012-02-25 17:56:07 | 映画のこと
またもやですが、WOWOWのW座からの招待状で放映された
『セラフィーヌの庭』を見ました

 1912年、フランス・パリ郊外のサンリス。
 貧しく孤独な女性セラフィーヌの日々を支えていたのは、
 草木との対話や歌うこと、そしてなによりも絵を描くこと
 だった。ある日、彼女はアンリ・ルソーを発見し、ピカソ
 をいち早く評価したドイツ人画商ヴィルヘルム・ウーデに
 見出され、その後、彼の援助のもと、個展を開くことを夢
 見るようになる。そんな中、第一次世界大戦が起こり……。

日本の映画だったら、この女優さんが主役ってありえないな
もう少しきれいな人になるだろうなと思ってしまうくらい
セラフィーヌは冴えなくて、暗い女性なんだけれど
絵を描くのだという信念がすごい 圧倒される
わたしは、画商ウーデに見出されたことが
幸せな事だったのか、不幸を読んだ事だったか
しかし、必然だったのかわからなくなってしまった
セラフィーヌの描く絵は、とても力強く心に残り
映画の最後の場面が、頭から離れない程印象的な映画でした

昨日、6月に着工した賃貸マンションの工事引き渡しで
夜はオーナーさんが、関係者を招待した食事会がありました
そういう場に行くと、廻りを明るくして、笑いをとる努力をする自分は
本当は決して社交的ではないからこそ、頑張っている事を知っているのです
でも、多かれ少なかれ、みんなそういう事があるだろうとも知っているのです
昨日の食事会では、オーナーさんが笑顔で喜んでくれいていたことが
廻りの人たちの笑顔に繋がって、とてもいい会でした
2次会も誘って頂きましたが、正直へとへとでお断りし
昔からの知り合いの電気屋さんと一緒に電車で帰宅
お土産の一升瓶を持って・・・

樋木酒造(ヒキシュゾウ)さんで出している鶴の友というお酒で
とっても美味しいんだよということ
ただ、わたし日本酒飲めないんだよなぁ

秋月記

2012-02-22 22:41:55 | 本のこと
葉室麟さんの『秋月記』

 筑前の小藩・秋月藩で、専横を極める家老・
 宮崎織部への不満が高まっていた。間小四郎
 は、志を同じくする仲間の藩士たちとともに
 糾弾に立ち上がり、本藩・福岡藩の援助を得
 てその排除に成功する。藩政の刷新に情熱を
 傾けようとする小四郎だったが、家老失脚の
 背後には福岡藩の策謀があり、いつしか仲間
 との絆も揺らぎ始めて、小四郎はひとり、捨
 て石となる決意を固めるが――。
 絶賛を浴びた時代小説の傑作、待望の文庫化!


人が人として生きていく素直な感情がてんこもりです
何のために生きていくのか、何を力に生きていくのか
現代社会で生きているわたしなんかは、
突き詰めて考える前に、流されたりあきらめたりしていくことを
素直に実直に受け止め立ち向かっていく様が清々する
「政事を行うとは、そういうことだ。
 捨て石になる者がおらねば何も動かぬ・・・」
 ひとの役に立っていると思いたかった。
「ひとはおのれの道を最後まで行くしかないのだ。
 たとえ一人になろうともな」
「どれだけ手が汚れても胸の内まで汚れるわけではない。
 心は内面より汚れるものです」
「山は山であることを迷わぬ。雲は雲であることを疑わぬ。
 ひとだけが、おのれであることを迷い、疑う。
 それゆえ、風景を見ると心が落ち着くのだ」

心を揺さぶる言葉にたくさんの付箋がつきました

この前、図書館で藤田嗣治画集を借りて来ました

最後の奥様、君代さんが2002年に編集に携わって作られた画集です
年代を追っての藤田嗣治さんの絵ももちろんですが
途中や最後の絵の説明や、藤田嗣治さんのことを書いた文章も
とても興味深く、素晴らしい画集だと思いました
返却までの2週間、たっぷり楽しませてもらおうと思っています

ヤコブへの手紙

2012-02-21 20:53:23 | 映画のこと
フィンランドの映画ヤコブへの手紙

すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに
来なさい。わたしがあなたをやすませてあげます。
(マタイの福音書11章28~30節)

人を殺めて終身刑となり刑に服していたレイラが恩赦で釈放され
帰るあてもないレイラを引き取ってくれたのがヤコブ牧師
目の見えないヤコブ牧師にくる手紙を読むことがレイラの仕事
レイラの孤独とヤコブ牧師のやさしさと一途さが
不思議な旋律を奏でる感じ
音楽、景色や建物がとても素敵で
最後の哀しみと、少しの希望の光があとをひく
なんだかとても好きになってしまった映画です

この映画も『トイレット』もそうなのだけど
WOWOWのW座からの招待状で見たのです
イラストレーターの安西水丸さんと作家の小山薫堂さんの対談で始まるのです
気がつくと、この番組で紹介してくれる映画を見ることが多いのは
安西水丸さんも小山薫堂だんも好きだしなぁ

昨日の夜中、目が覚めてリビングの窓から外を見てびっくり
猛吹雪で真っ白
「明日、出勤どうしよう」と思っていたら朝は晴れていました
寒かったけど、よかった~とひとあんしん
あっと思ったらもう2月も後半ですね


誘う森

2012-02-18 11:31:54 | 本のこと
吉永南央さんの『誘う森(イザナウモリ)』

 妻・香映の死を受け入れられずに不眠症を患った洋介は、
 謎に満ちた妻の過去から、死の真相を探る決意を固める。
 老舗酒造である実家を手伝う傍ら、自殺の名所と呼ばれ
 る森で自殺防止ボランティアとして活動していた彼女に、
 あの日いったい何が起きたのかーー。暴かれていく真実
 は、名酒を生み出す母なるあの森へと洋介を導く。話題
 の著書が巧みな心理描写で嘆声に描く、長編ミステリ。


吉永南央さんといえば、以前読んだ『萩を揺らす雨』
印象が深くて、ああいう淡々と進むけれども
温かいやさしい心地のなるお話かと思っていました
でも、全然違っていた・・・のです
本格的ミステリというか、細い細い糸を少しずつたぐり寄せて
静かにそ~っと謎が解けていき、その結末は哀しいのです
深い海の底を、ひとりであてもなく静かに歩き続けている
そんなイメージでずっと読み続けました
暗いけれど、救いもないけれども、
この小説が与えてくれる空気感がわたしは好きです

今週はちょっと目の調子が悪くって
仕事でPCに向かうのが精一杯で、読書も進みませんでした
家に帰っても、塗り薬を目に塗ってぼーっとしている毎日
やっと昨日あたりから少し楽になりましたが、目は大切だわぁ
昨日、仕事中に通った創成川です

雪まつりは終わりましたが、札幌の街はまだまだ冬模様
今日も寒いし、今も深々と雪が降っています
今日は日本全国が冷え込んでいるのかな 沖縄は違うか
ちょっと晴れると、外を走りたいなぁと思う気持ちが
どんどんと大きくなってきて、春が待遠しいです
仕事でお付き合いのある方で、ランナー歴の長い方がいて
その方に、ランナーの方が集まるHPを紹介されいていたのですが
なかなか書き込む勇気も出ず、フルマラソンなんて目指していないしと
ずっと二の足を踏んでいたのですが、
わたしみたいなペースでも全然大丈夫という励ましを鵜呑みにして
とうとうこの前、そのHPにデビューしてしまいました
今年はひとりではなく、ちょっとでもお仲間に入れてもらって
短いコースやイベントに参加できたらいいなぁと思います

レオナール・フジタとスコップ団

2012-02-13 22:31:47 | なんでもない話
録画していたBSーTBSで放送された
寺嶌しのぶ・フランス幻想紀行
   ~藤田嗣治『乳白色の肌』に魅せられて~
を見ました
藤田嗣治・・・レオナール・フジタは好きな画家
特に彼の猫の絵や女性の絵はとても好き

この番組では、わたし自身が知らなかった
初期の風景画や晩年のフレスコ画などをじっくり見ることが出来た
また、2年前に芸術の森にまで行って見て来たモディリアーニと

フジタが隣同士のアパートに住んでいて、親友だったのかとびっくり
当時のバリにはピカソもいて交流があったというんだから
タイムスリップしてその場に行ってみたい感じ
フジタに関する本とか探して読んでみようかな

毎日みているほぼ日刊イトイ新聞だけど
色々なコーナー全てをみている訳ではなく、気になるものだけ
その中で、とてもいいなと思ったのが
スコップ団の僕たちの花火の連絡、見えますか。
お昼休みに1回目からまとめて読んで、思わず泣いてしまった
震災で倒れてしまった家の片付けをしているスコップ団のこと
歌手の田島貴男さんがスコップ団に参加したり
ときどき読んでいた山元町と手をつなぐ。だけど
今回の花火の件で、改めて、スコップ団の団長、カッコイイぞ
とても大切なことだけど、えらそうに言いたくないこと
気になった方がいたら読んでみて欲しいと思います

優駿

2012-02-12 19:08:28 | 本のこと
宮本輝さんの1986年の小説『優駿』

1988年に映画も公開されました
仲代達矢、斉藤由貴、緒形直人、緒形拳
テレビで放映されたときにみたけれどもよかったな
何度もみているのだけど、いつも秘書の多田役が宅麻伸だったよなと思い
調べて、ああ間違えた 石橋凌だったと思い出す
多田役だけは、わたしの中では宅麻伸なのです

とっても久し振りの再読
@テルニストの企画のため、再読することに決めたのだけど
昨日の夜は、再読にも関わらず、読むことに集中してしまい
寝たのは朝5時・・・・バッカじゃないのと思う

静内のシベチャリ川に祈る博正の姿がこの物語の芯にあるように思う
サラブレットを育てるという、人間の勝手なのかロマンなのか運命なのか
ただそのことだけに気持ちを注ぐ渡海親子の姿に胸がうたれる
心根がきれいで、冷静でいてやさしい人たちが最後は勝つんだ
そういう気持ちで読み終える小説
若く薄幸としか思えない人生を終えた誠のことでは
まわりの人間たちの気持ちも含めて、苦しい位の辛さを感じさせられる
オラシオンという不思議な馬の、人生を狂わせられ救われる人たちの姿にも
何度も何度も涙が流れる
人が幸せだ、順調だと思うときほど、人は悪いことに気付かないのだ
何があっても、再生できる
終わりは始まり
何度読んでも、大好きな小説

共喰い

2012-02-11 19:02:47 | 本のこと
第146回芥川賞 田中慎弥さんの『共喰い』読み終わりました
雑誌「文芸春秋」に掲載されたものを読んだので
この後、多分時間をかけて、円城塔さんの作品も読むつもりです

小説の読み始めから最後まで
頭の中に情景がどんどんと入ってきて
細く汚い川の廻りの暗い景色が
今でも頭の中で息をしている感じです
ストーリーは、救いようのない感もあり
途中で嫌になってもきたのですが
最後まで読んで、人って母って・・・と
色々と考えてしまいました
田中慎弥さんの今後の作品、
違うテーマのもう少し明るい作品を読んでみたいです

本屋さんに注文していた本を取りに行って来ました

宮本輝全集2「錦繍・避暑地の猫」
宮本輝さんの本で、単行本で持っていないのが
「道頓堀川」、「蛍川・泥の川」、「錦繍」なのです
母が、父が亡くなってから本を読むようになり
色々な本を持って行ってるのですが、
大好きな宮本輝さんの本はまだなのです
母の好みというのが、分かるようで分からず
輝先生の本は「よかったよ」と言って欲しくて
何がいいかとずっと考えていてたどりついたのが『錦繍』
母は文庫本の文字は少し読みにくいらしいので
どうしようかなぁと思って、悩んで、
とうとう買ってしまった全集
実際に手に取ってみると、あこがれの全集
・・・いいですねぇ
全集1巻は、単行本を持っていない川三部作なのだ
これは、また買ってしまいそうだわ

去年の11月にはじめて行った斉藤和義さんのライブで
ファンクラブに入って、またライブに行こうと決めていたのです
そして、きました ファンクラブ会員証

一緒に会報やファンクラブサイトのお知らせ
会報やサイトを見て、ニヤニヤワクワク
札幌にいると、出演予定のテレビ番組がやっていないこととかもあって
さびしい気持ちもしていたのだけど、
またの楽しみが増えました