香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

漂砂のうたう

2015-07-30 20:54:08 | 本のこと
木内昇さんの直木賞受賞作
『漂砂のうたう』



御一新から10年。
武士という身分を失い、
根津遊郭の美仙楼で客引きとなった定九郎。
自分の行く先が見えず、空虚な中、
日々をやり過ごす。
苦界に身をおきながら、
凛とした佇まいを崩さない人気花魁、小野菊。
美仙楼を命がけで守る切れ者の龍造。
噺家の弟子という、
神出鬼没の謎の男ポン太。
変わりゆく時代に翻弄されながら
それぞれの「自由」を追い求める男と女の人間模様。
第144回直木賞受賞作品。


読み終わって、ストーリーを思い出し追ってみても
起承転結、驚きの展開、心踊る出来事などはなく
淡々と進んでいったような気がする
それでも、この小説の世界に静かにずぶずぶと浸り
なんとも言えない世界観に酔って読み終わる
浮かれたところも、落ち込み過ぎるところもなく
不思議な出来事も、すんなりと受け入れて
小説という架空の世界を経験する醍醐味にひたった時間



一昨日の夜、SAPPORO CITY JAZZ 
ミュージックテントライブ土岐麻子
聴いていきました 楽しんできました

前半は、ジャズのスタンダードを堪能
後半は、30日発売のニューアルバム「Bittersweet」から
ポップな曲を堪能するという贅沢



土岐麻子さんのジャズのアルバムは聴いたことがあったのですが
ポップ系の音楽は、EPOや大貫妙子さんと雰囲気が似ている感じで
きれいな歌声に軽快な音楽が気持ちよかったです

2階席は初めてだったのですが
ゆったりとしているし、指定席なのでギリギリに行けるし
また来年も誰かのライブに行きたいなと思いました

しろいろの街の

2015-07-25 20:09:29 | 本のこと
村田沙耶香さんの
『しろいろの街の
 その骨の体温の』




第26回三島由紀夫賞、第一回フラウ文芸大賞受賞作の文庫化。
クラスでは目立たない存在である小4の結佳。
女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、
習字教室が一緒の伊吹雄太と仲良くなるが、
次第に伊吹を「おもちゃ」にしたいという気持ちが強まり、
ある日、結佳は伊吹にキスをする。
恋愛とも支配ともつかない関係を続けながら
彼らは中学生へと進級するが――
少女の「性」や「欲望」を描く、静かな衝撃作。


三島由紀夫賞を取ったり、書評を読んだりしていて
ずっと気になっていた本が文庫化
帯は西加奈子さん
読み始めて、後悔
それは、この本は面白いけれど
自分としてはあまり思い出したくないし、考えたくない
そんな世界を見せられる本なんだと直感したから…
中学生の時の、グループごとの階級のようなもの?
わたしの時代にもやっぱりあったな
そんな自分のいる世界を、俯瞰から見ているような主人公
何もかもわかっているつもりで、でも違う
人はそれぞれだし、正しいものなんてないし
あの時代、みんな正しくないのかもしれないよ
苦しみの中から、どんな形であれ、一歩踏み出した形で
物語が終わっていることが救い
グロテスクというかリアルな表現に胸を痛めながらも
なかなか途中で本を閉じることができず、
一度閉じたら、開くのに勇気がいる本だった
読み始めた時の後悔は、読み終わってもモヤモヤしていたけど
こういう時代のことを、いつになったら冷静に思い出せるのかな
力強い、いい小説でした



雨予報の1日だったけど、夕方まで曇り空だったので
新川通を走る予定を決行
突然の雨のために薄いベストを着ていたのと
雨が降りそうな湿気の強い天候で、
すぐにヘトヘトになりながらも、
道マラの折り返し地点まで走りました
北大や円山を走っている時にすれ違うランナーさんは
あまり挨拶や会釈などしない方々が多いので
いつも、軽く会釈するくらいですれ違っていたのですが
新川通を手稲区に入ると、すれ違うランナーさん90%が
みなさん、挨拶してくれるんですよね
声をかけてくれたり、手を上げてくれたり、会釈したり
これって、なんだかとっても力をもらえます
道マラに向けての練習仲間みたいな意識なのかな~
ヘトヘトになりながらも、うれしい気持ちになって
なんとか往復してハーフの距離… 30km走れや!と自分にツッコミ

静子の日常

2015-07-23 21:42:01 | 本のこと
井上荒野さんの
『静子の日常』



おばあちゃんは、あなどれない---
果敢、痛快、エレガント。
75歳の行動力に孫娘も舌を巻く!
味わい深くユーモラスに、
年齢を重ねてこそのしなやかな境地を描く。
チャーミングで心ほぐれる家族小説。


75歳の静子さんにすっかり心酔

人が決めたことについてはそうでもないが、
自分で決めたことはぜったいに守る。
それは静子の信条である。

静子は=それも、信条のひとつとして=後悔はしなかった。
でも、後悔しない人生は、正しい人生というわけではないわね、と考えた。


全然泳げなかったのに、フィットネスクラブに通い
水泳教室で、25m泳げるようになり、
まるでおバカな子にあてたような張り紙
たとえば、「悪口を言うのはやめましょう」とか
その張り紙に、こっそりと付箋に「バカ?」と書いて貼るとか
自分の考えと信条で、判断して行動し発言できる
とても可愛く素敵な静子さん
お嫁さんの薫子さんも、息子の愛一郎さんも
素直で正直な愛すべき中年で
孫のるかちゃんも、若いっていいなぁと
思ってしまう青春をすごしている

おおげさに言えば、静子さんの年代、もるかちゃんの若さも
みんな生きているって、素敵なこともあるんだなって思える
まさか、この本でこんなに元気をもらえるとは思わなかったな





やっと雨が上がって走れたので、
じめ~っとした朝だけど、北大に向かって走って行っったら
今日は、乗馬クラブの練習の方々とご挨拶
暑いというか、ジメジメでぐったりだったけど
楽しい気持ちになれたよ ありがとう

2015-07-22 00:31:43 | 本のこと
第153回直木賞受賞作
東山彰良さんの『流』



何者でもなかった。ゆえに自由だった――。
1975年、偉大なる総統の死の直後、
愛すべき祖父は何者かに殺された。
17歳。無軌道に生きるわたしには、
まだその意味はわからなかった。
大陸から台湾、そして日本へ。
謎と輝きに満ちた青春が迸る。
友情と恋、流浪と決断、歴史、人生、そして命の物語。
エンタメのすべてが詰まった、最強の書き下ろし長編小説!


東山彰良さんの作品は初めて
中国語読みの名前になかなか慣れず
なんども登場人物の名前読みを確認して
丁寧に読み進めた
戦後の台湾の喧騒、暴力や
台湾や中国の人たちらしい会話、家庭
昔の日本や中国共産党、台湾国民党の戦い
盛りだくさんの内容なんだけど
青春小説なんだよなと、最後は爽やかな笑いで読了
面白かった とっても



たくさんの心の葛藤
静かにしのいていこう
そんな日々も、いつか笑って思い出せる

あの家に暮らす四人の女

2015-07-18 20:52:23 | 本のこと
三浦しをんさんの
『あの家に暮らす四人の女』



ざんねんな女たちの、現代版『細雪』


謎の老人の活躍としくじり。ストーカー男の闖入。
やがて重なりあう生者と死者の声――
古びた洋館に住む女四人の日常は、
今日も豊かでかしましい。


谷崎潤一郎メモリアル特別小説作品で
山田詠美さんも『賢者の愛』を出版されていて
気になってはいたけど、読もうとまでは思わず
でも『細雪』は、とても好きな作品だし
三浦しをんさんだしなぁと思って購入
同じ家に暮らしている母と娘、娘の友人と、友人の後輩
4人が細雪の姉妹と同じ名前で、
少しだけ性格付けが似ているんだけど
まあ、現代版細雪ではないし、
えっと、どこが残念なのかな、この人たち…
向田邦子さんの『阿修羅のごとく』の4姉妹ほどドロドロせず
でも、同じように正直で不器用

夢見たっていいじゃない。
年取って死ぬまで、
気の合う友達と楽しく暮らしました。
そんなおとぎ話があったっていいはずだ。


いつかひとりずつになってしまうかもしれないけど
確かにいまこの時は幸せなのかなと思う
なんとも不思議な気持ちになった小説



今日、友人とあった帰り
歩きたくなって、札幌駅から歩いて帰る道



函館本線の高架下は紫陽花が花盛り



いろいろな種類と色の組み合わせがあるんだな



せっかくの連休なのにいまは雨で少し残念



でも、紫陽花はよろこんでいるのかも

ウィメンズマラソン

2015-07-16 20:35:08 | 本のこと
本のお話なんです
坂井希久子さんの
『ウィメンズマラソン』



岸峰子。30歳。バツイチ。子持ち。
幸田生命女子陸上競技部所属。
自己ベストは、2012年の名古屋で出した2時間24分12秒。
ロンドンオリンピックは、走ることができなかった。
2年以上のブランクを経て、今、リオを目指す。
このままじゃ、次に進めないから――。
『ヒーローインタビュー』が「さわや書店年間おすすめ本ランキング2013」
文藝部門の1位に輝くなど注目を集めた著者の、スポーツ人間ドラマ第2弾!


仕事の途中、ちょっと覗いた本屋さんの平台にあって
「えっ?」と目が離せなくなり買ってすぐ読んでしまった
登場人物が、実在のマラソン関係者さんの名前を
ちょこっとだけ変えていて、イメージがしやすい
名古屋ウィメンズ、北海道マラソン、
コースを目に浮かべながら読めたのも面白さに拍車をかける
オリンピック出場候補の人たちの話だから
スピードも練習方法も当たり前だけどすごいんだけど
それもなんだか想像できて、じーんとくる
文中のなかの
 足をもつれさせつつも、木関さんは抜かれまいと追いすがってきた。
そうだ、諦めのいい人間ははじめからマラソンなんか走らない。

この言葉、とっても好きだと思いました
昨日の夜中に目が覚めて、眠れなかったのもあるけれど
途中でやめることができず、朝方までかけて一気読み
すぐに、走りに行きたくなっちゃった

夢見るフランス絵画

2015-07-12 22:35:42 | なんでもない話
今日も暑い札幌でした
少しいつもより寝坊したので
暑くならないうちにとあわてて外出



北海道近代美術館でやっている
『夢見るフランス絵画』を見てきました

いつものように音声ガイドを借りると
案内人は草刈正雄さん
いい声です

ルノワール、モネ、ユトリロ、セザンヌ、モディリアーニ
たくさんの画家の複数の絵が
力強く、美しく、繊細で、優美で、圧倒されました
当たり前だけど、みんな違っていて、
違う感動を与えてもらった気がします

そんなに混んでいなくて、いい時間を過ごしました



美術館からは、ブルクベーカリー円山店
久しぶりにいって、目移りしながらお昼のパンを購入
マルヤマクラスでチョロチョロしていたら札幌スポーツでバーゲン
ちょっこし買い物して帰宅8,048歩
暑い中、走っている人たちをたくさん見たし
Twitterでも、みんな走っているんだなぁと思って
夕方、走ろうかと思ったけど、結局まったりの日曜日でした



何度目かわからないくらいに読んだ
宮本輝さんの『避暑地の猫』再読

修平の両親が番人として雇われた別荘には
秘密の地下室があった。
別荘の主、布施金次郎と両親たちとの密約の存在を
知った17歳の修平は、軽井沢にたちこめる霧のなかで
狂気への傾斜を深めていく。
15年の沈黙を破って彼が語り始めたひと夏の出来事とは?
人間の心の奥に潜む「魔」を描ききった傑作長編小説


読み始めると、この不思議な世界にすぐにひたってしまう
軽井沢の霧の中で、坂を転げるように危険な思考に落ちていく
なんども読んでいて、経過も結果もわかってはいるけど
それぞれの人たちの気持ちを考えると苦しく悲しくなる
また、違う夏に読むんだろうなと思います

幌見峠ラベンダーラン

2015-07-12 09:54:12 | 走ること
昨日の土曜日
札幌の最高予想気温は30℃
エフランの企画ラン
「幌見峠ラベンダーラン」に参加

9時に桑園のたまゆらに集まったのは16人
円山公園の方に通って幌見峠へ
動物園を過ぎてあと2kmの坂道が
やっぱりきついきつい
Kuriさんが歩き始めたのを見て
わたしもお仲間に入れてもらい、歩いて登頂





早咲きのラベンダーがきれいに咲いていて
晴れ渡る空と札幌の街並みが美しい
今年で3回目の幌見峠だけど、今年が一番お天気がよかった
他のマラソンクラブの方々も走ってきていたり
自転車で登ってきたりしている人たちもいた
変人はわたしたちだけじゃないのよね

その後、ばんけいスキー場の方に向かって下り道
せっかく登ったのに、下りたくないんですけど~
ばんけいスキー場からはまた登り坂
幌見峠ほど急坂ではなかったので、
ゼーゼーいいながらも少しずつ走り
大倉山ジャンプ場まで



大通公園からまっすぐ見えるジャンプ場
気持ちええ~

さて、これで帰るのねと思ったら
genさんのおすすめコース
山の中に入っていったのです



こんなとこ登ったり



こんなとこ下ったりして到着



荒井山頂上…こんなところがあったのね~
下の荒井山ジャンプ場は小さなジャンプ台で
こどもと思われる人たちが練習していました



荒井山を降りて、円山競技場の横を通って
ここでみなさんとお別れ
ラン後のお風呂とビールは用事があって参加できず
…残念
ひとり、なんだかヘロヘロになって帰りました

みんなで走ったのは15,6kmくらいかな
走力の違う、高速ランナーさんたちとも
楽しくおしゃべりしながら走れて
とっても幸せで楽しい企画でした
みなさん、genさん、ありがとうございました



MAPで見るとこんな感じのコース


本を読まない日々

2015-07-09 21:03:24 | なんでもない話
翻訳本を読んでいたのだけど
なかなか進まなくて
そのうち、今週に入って
寝る前に音楽やPodcast聞いたりして
気がついたら3日くらい本を読んでいない
なんか、とっかかりになる本を



本は読んでいないけど
走ってはいるのだ
北大のクラーク先生には2回ご挨拶
火曜日の朝 10km
水曜日の夜 7km
今日は帰宅時 6km
だんだん距離が短くなっている~
夜は走るとお腹がすくのですよ



昨日は仕事で昼間ずっと外をふらふらと
お天気よくて、気持ち良かった大通公園





たくさんの花壇が美しさを競っているようだったな

2015.7.5 余市へ

2015-07-06 21:00:20 | 旅に出たい
はい、これで最後でっす

次の日曜日は朝からバスで余市へ
小樽から余市へのJRは山の中を通っているけど
バスは海沿いを走るので景色がとてもきれい


(お友達がバスから撮ったものを借用)

そして駅からすぐのNIKKA WHISKY蒸留所



お客様感謝デーのお祭りをしていて
結構な人で、露店やカラオケ大会みたいなのもやっていた



ハングライダーをしている人がうらやましい
きれいな青空の日
ただて提供してくれる身欠きニシンなどをいただいたり
お祭りをちょっとだけ楽しんでから工場見学



ちょっと歩いて、余市川へ
今年は大好きな余市味覚マラソンは、
エントリーしなかったので、
今年も会えてうれしいという気分



マッサンとエリーも歩いたかもしれない
川沿いの道を散歩



余市をゆっくり堪能して、JRで小樽へ行き
ランチに天ぷらを、おやつにルタオのケーキをいただき
お友達は東京へ帰って行きました~

おわり