香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

羊の目

2013-08-10 20:01:05 | 本のこと
伊集院静さんの『羊の目』

 昭和8年。牡丹の彫物をもつ夜鷹の女は、後に日本の闇社会を
 震撼させるひとりの男児を産み落とした。児の名は神崎武美。
 浅草の侠客・浜嶋辰三に育てられた武美は、「親」を守るため
 幼くして殺しに手を染め、稀代の暗殺者へと成長していく。
 やがて対立する組織に追われ、ロスに潜伏した武美は、
 日本人街の母娘に導かれてキリスト教に接するのだが……。
 高潔で、寡黙で、神に祈りを捧げる殺人者。
 25年ぶりに日本に戻った武美が見たものとは――。
 稀代の暗殺者の生涯を描き、深い余韻を残す大河長篇。伊集院文学の最高峰!


先日、朝日新聞の文化欄に直木賞を受賞された桜木紫乃さんの
「花の送り主」というエッセイの中で
直木賞受賞後の取材を受けてホテルに戻ると花が届いていて
送り主は「神崎武美」とあり、住所も電話番号もない
しばらくしてからこの小説の「神崎武美」だと気づいたと・・・
伊集院静さんのこの『羊の目』という小説が
桜木さんに多くのものを与え、大切な小説なのだとわかるエッセイで
これは、読んでみたいと強く思ったのです

とてもよかった、読み終わりたくなかった
出てくるひとりひとりの心情が、伝わってくるたびに切なくなり
神崎武美という男が、悲しくてつらくてたまらない
想像以上の茨の道を歩く武美の気持ちに添うと、涙が出そうになる
やくざというか、任侠の世界が好きなわけではないけれども
読んでいる間だけでも、その世界の中にひたっていました
神崎武美にわたしも会いたい・・・でも、こわい・・・

    

ちょうどいま、モスクワでは世界陸上で女子マラソンをやっています
モスクワなのに30℃以上もあるんだなぁ
そんな暑い日にマラソンなんて・・・すごいなぁ
へなちょこランナーのわたしは今日もちょこっとだけ走りました
久しぶりに、午前中に北大の中を走ったので
今年初めて、大野池の蓮の花を見ることが出来ました


涼しげで、きれいで、大好きな場所です


さ、マラソン観戦して、今日は早めに寝ましょう
福士さ~ん、野口さ~ん、木崎さ~ん、頑張って~~~