香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

恋歌(れんか)

2014-03-18 21:06:26 | 本のこと
先月発表された第150回直木賞受賞
朝井まかてさんの『恋歌』


あなたに逢いたい。命にかえても。
注目女流時代作家、入魂の感動作。

 幕末の江戸で熱烈な恋を成就させ、
 天狗党の一士に嫁いで水戸へ下った中島歌子。
 だが、尊王攘夷の急先鋒である天狗党は暴走する。
 内乱の激化にともない、歌子は夫から引き離され、
 囚われの身となった。
 樋口一葉の歌の師匠として知られ、
 明治の世に歌塾「萩の舎」を主宰し
 一世を風靡した歌子は、何を想い、
 胸に秘めていたのか。
 落涙の結末!


講談社のHPで特集ページもありました
 → こちら

先月25日にこのブログに書きましたが
第150回直木賞を特集した『オール読物』を読んで
続きがとても読みたいと思ってて
やっと読み終わったのです

幕末の時代の小説やドラマは好きなのですが
水戸や天狗党といえば、
桜田門外の変と新撰組芹沢鴨
そして最後の将軍・徳川慶喜くらいしか思い浮かばず
今回、この小説を読んで
水戸という国のこと、苦しい年貢と美しい風景、
天狗党と諸生党の諍い、明治になっても続いた遺恨
色々なことを知りました
幕末の罪を全て背負わされた会津とは違う
閉塞された残酷で残虐な時代を感じました

中島歌子という人、語り部となる三宅花圃
同じく弟子の樋口一葉や、養女のすみ
実在の人物なのですが、
わたしはよく分からなかったので
純粋に小説の中の人のような気持ちで
読んでしまったのですが
読み終わって、実在の方々なんだと思うと
なんだかとても切なく胸が痛くなり
でも、こんなに人を愛しぬいた歌子が
羨ましいような眩しいような気持ちでした

君にこそ恋しきふしは習ひつれ
さらば忘るることもをしへよ

恋することを教えたのはあなたなのだから
どうかお願いです
忘れ方も教えてください



先週末からやっと走り始めました
朝6時ころの札幌競馬場前の通りから
ちょうど朝日が見えたのですが
どんどん日が長くなっていて
いまはこの写真より結構雪も少なくなりました
今日は雨も降ったので
明日の朝は、もっと雪がない状態で走れるかな
仕事場で、自分で出しっぱなしだった引き出しに
脚をがっちりひっかけて出血
でも、めげずに明日も走る 
色々と心配事があり
うつむいてしまいそうになるこの頃
そういう時、思い切って外に出て走ることで
気持ちを切り替えることが出来る
わたしにとって大切な時間になりました