世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

「グラスホッパー物語」

2006年02月01日 23時59分43秒 | Weblog
もっと広いところへ飛び出たい、
このままじゃいけない、
…でもそんな気持ちをどこかに忘れてしまった、いや忘れたフリをしている…楽だから。

そんな私に喝を入れる曲に出会った。

「グラスホッパー物語」である。

事の発端は、昨日の母からの電話であった。
「なんかさー、『できるかな』の、のっぽさんが『みんなのうた』で歌ってんだよね~。何ていう曲か知ってる?」

興味が無かったが、曲のタイトルを母に教えたいが為、ネットで調べてみた。
けっこう、静かなブームになっている曲らしい。
しかも、どこでも絶賛されている。
…気になる。
CDとDVDのセットが販売されているらしい。

誕生日も近いことだし。
お財布と相談した結果…
購入。

まず、DVDを鑑賞。
涙が止まらなかった。

1966年から24年間続いた教育テレビの名物番組「できるかな」の「ノッポさん」こと高見のっぽ(高見映)が作詞し、自ら歌い踊るミュージカル仕立ての作品である。

「できるかな」といえば、風邪を引いて学校を休んだ時か夏休みなどの長期休暇に必ず観ていた児童向け工作番組である。
ノッポさんとゴン太くんしか登場人物がいない非常にシンプルな構成だった。
姿は見えないけれど、テンションが高い女性のガラ声も常に番組全体を引き締めていた。
ノッポさんはパントマイムを施しながら、マジシャンのように色々なモノを作成して私達に夢を与えてくれた。
24年の放送期間中、ずっと無口だったのっぽさん。
(ゴン太くんは終始「ふごごごご」しか言わない。あれはゴン太くんがお腹を空かせていて、それでもって鳴り響いている音だと、最近まで思っていた私…。
最終回の最後で、のっぽさんが「あ!喋っちゃった!」と言ったという都市伝説が流布しているが、本当だろうか。)

そんな沈黙の印象が強いのっぽさんのCDデビュー。

公園から出てはいけないと代々言われている、グラスホッパー家。
若かりし頃のおじいさんバッタは、好奇心が勝って思い切って公園を抜け出して外の世界に羽ばたく。
地下鉄に紛れ込み窮地に追いやられたおじいさんバッタが、優しい人間たちに救われた冒険譚を孫バッタたちに語るというストーリー。

私が涙したポイントは…
①地下鉄に迷い込んだバッタを救ってくれた人間のあたたかさ。この世知辛い世の中、こういう心を持っていたいって思った。
②おじいさんバッタが「若い時は一度きり。羽を広げ、飛ぶんだ!」と孫たちに語る姿。私まで背中を押された。
③孫バッタの可愛さ。…粘土細工で出来ているんだが、無条件に可愛い。


曲はワルツ調。
耳に残る。
のっぽさんの声はダンディ。軽快なタップも「できるかな」時代から全く衰えていない。とても71歳には見えない。

今まで「みんなのうた」の中では
①まっくら森のうた
②恋するニワトリ
③潮騒のうた
が、私の中でベスト3を占めていたが、今日から「グラスホッパー物語」が1位に君臨することになった。

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