雨の日の悟り

昨日に引き続き、今日も冷たい雨が降っていた。
節電で暖房が入っていない。濡れた革靴に包まれた足が冷えて辛かった・・・。
USBに繋いで使用する足温器を今年は購入しようかなと思う。

夕方、他のフロアにある制服の部屋に用事があったので行った。
廊下を歩いているとき、ふと小学生の時の初冬の雨の日の夕方を思い出した。

茶の間の外に広がる仄暗い庭。
木々がシルエットのように漆黒を帯びて、そこにしがみついている今にも落ちそうな朽ちかけた柿の実。
ギャーギャーと鳴く百舌の声。
祖母の部屋から聞こえる時代劇のオープニングテーマ。
掘りごたつに足を突っ込み、今日学校であったことを話しながら宿題をする私と妹の傍らで、おもちゃで遊ぶ弟のひとり遊びの声。
私たちの会話を聞きながら、柱を背もたれにして編み物をする母の姿。
柱時計の振り子の音。
こたつの上の籠に入れられたみかん。

当時の私の悩みといったら、12月に開催されるマラソン大会と未来永劫続くのかと思われる退屈な授業が嫌ということだった。
その日すべきこと・・・宿題はやらないと怒られるからという理由でやらされていた感が満載だった。
できるなら、ずっとファミコンか人形で遊んでいたかった。

寒い時期の雨の夕方は、決まってあの情景が思い浮かぶ。
気を許すと、仄暗さで瞼が閉じてしまい、まどろみたくなるような、そんな夕方。

しかし、今は仕事中。まどろむわけにはいけない。
申請書を片手に、手配するべき制服をハンガーから外す。

また、今日はずっと手がけたかった書類を作成し、すっきり。
天気とは対極にあるような晴れ晴れとした気分だ。
36歳になり、社会人もそろそろ15年め。
さすがに小学校時代のような怠惰なマインドでは食っていけぬので働いているわけだが、本当、仕事が多すぎて無理だと思うことが多い。しかし、あれもこれもというんじゃなくて、その日すべきことをきちんとできたら上出来だと、ここ最近は思う。


後輩女子Cちゃんと一緒に帰る。
夕御飯の話になり、先日彼女がコンビニのおでんを食し、非常に美味しかったことを聞いていたら、おでんが食べたくなってきた。
彼女と別れた後、コンビニでおでんを購入。
おでんが美味しい季節になった。
マストは、ちくわぶ！絶対、夜にお腹が空くので餅巾着も入れちゃう。野菜も大切っと大根、肉もね・・・ということでつくねも投入～！
帰宅後、吉熊といただきま～す。ウマー。



仕事以外でも、自分と相談しながら「今日その日すること」を決め、きちんとできたらそれでいい。
焦らず、惑わされず。
それが幸せへの近道ではないだろうか。
おでんでお腹が満たされた私は、そんなことを思うのだった。

明日は晴れたらいい。