中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

七夕

2009-07-07 16:38:30 | 身辺雑記
 今日は七夕の日。あいにく梅雨の最中のこととて、空は曇っている。昨夜のテレビの天気予報では、沖縄地方を除いて全国的に曇り空と言っていた。これで3年連続の曇り空の七夕だ。

 新聞の読者の声欄に、奈良市在住の84歳の男性の投書が載っていた。「小さいころ、四国の農村でおよそ1カ月遅れの旧暦で七夕を祝ってきた私には、新暦の七夕はどうもなじめない。梅雨の最中だから、星空を見上げる日も数少ない」という出だしで、更に続けて

 「中国から伝えられたとされる七夕行事は旧暦が中心であり、星座の配置にも由来するものである。七夕としての正しい星の配置は旧暦のころに出現する。従って新暦の7月7日を七夕とすることは適当でない。俳句の季語でも七夕は秋の部に属する」

 と、なかなか説得的である。私は都会育ちだったから、幼い頃でも旧暦で七夕を祝ったことはないが、かねてから節句など古来の行事は旧暦で行うほうがいいという考えを持っていて、このブログにも書いたことがある(07.07.07)。これも書いたことだが、私の最後の勤務校におられ、今は故人になられた女性のO先生は国語担当で古典の造詣が深かった方だが、私に七夕は旧暦にするのが良いと説明されたのが印象に残っている(06.10.10.)。七夕は星祭とも言うから、やはり星空が眺められる季節がいい。

 近くの複合商業施設では今年も七夕飾りをしていた。通りがかりの者が短冊に願い事を書いて笹の葉に結んでいく。夫婦連れや中高年者、高校生なども書いていた。私は「麦豆や宸宸が元気に育ちますように」と書いた。










     

     

 短冊に書かれたものを見ると、自分の将来の願い、家族への思い、少し欲の表れたもの、思わず笑ってしまうものなどさまざまだが、星の数ほどもある願い事を読んでいくと、何か心が温まる思いがした。こういうときには誰もが素直な良い心になるのだろう。


  ささの葉さらさら のきばにゆれる お星さまきらきら きんぎん砂子
  ごしきのたんざく わたしがかいた お星さまきらきら 空から見てる

 懐かしい童謡だが、打ち水をした自宅の庭で星空を見上げて七夕の宵を楽しむ良い風習は、日本ではもうほとんど失われているのではないか。地方ではまだ残っているのかも知れないが、集合住宅の多い都会ではまずないだろう。まして梅雨のさなかの新暦のころに七夕の風情を求めるのは無理というものだ。それでもいつまでも残ってほしい風俗だと思う。