北海道の大雪山系トムラウシ山と美瑛岳で、ツアー客など10人が遭難死した。強雨や風で動けなくなり、寒さで体力が奪われて低体温症になったようだ。
トムラウシ山の遭難者は東京のツアー会社が企画して参加者を募ったもので、名古屋など各地から18人が参加し8人が死亡、美瑛岳の遭難者は茨城県つくば市の旅行会社が企画したツアーの参加者で、女性3人が参加し1人が死亡した。トムラウシ山では他に男性登山者が1人遭難死している。死亡した人の年齢は1人が59歳のほかは皆60代で、中には70歳近い人もいる。やはり高年齢ということで体力の消耗が激しかったのではないか。
大雪山系は難しい山が多いらしく、夏でもかなり気温が下がることがあり古くからよく遭難者を出している。今度遭難者を出したツアー会社は健脚者向きと謳って募集したようだが、それでも参加者の体力や力量には差があって、ついていけない者が続出したようだ。いくら夏山と言ってもかなり温度は低くなり、雨が降ったり強風が吹いたりすると、体感温度は零度近くになると言う。やはり高年者には無理だったのではないか。警察はツアーを企画した会社の安全管理に問題がなかったか、業務上過失致死の疑いで捜査を進める方針で捜索を行った。警察は悪天候下でツアーを決行したガイドの判断を重視しているようで、このツアーでは帰途の航空便が日程に組み込まれていて、予定通り下山するために、日程を優先させた可能性もあるらしい。やはり計画そのものに万が一の事態を想定していない点があったのではないか。
遭難した人達の登山歴はどれくらいのものなのかは分からないが、テレビのニュースを見た限りでは、50代になって山登りを始めた人はかなりいるらしい。おそらく大学の山岳部などに所属していた経歴の人はいないのではないか。最近は健康志向という風潮もあってか、休日の駅などには登山姿の中高年者の姿をよく見かける。最初はハイキングを楽しんでいて、それからだんだん山をトレッキングすることを覚え、更に有名な高い山を目指すというようになるのだろう。トムラウシ山は日本百名山に数えられているのだそうだ。今回はそれに憧れて参加し亡くなった女性もいるようだ。
私も若いときには生物クラブの生徒達と乗鞍など信州の山に行ったことはあるがすべて夏山で、それも植物の採集や観察が目的だったから本格的な山登りではなかった。やはり山は怖い。決して侮ってはならないと思う。山登りには何かロマンティックな思いが付きまとうようだが、ひとたび変化すれば山は猛々しく、ロマンティックどころではない。今回遭難死した女性の遺族が、妻は山で死ねば本望だと言っていたのでと、自分を納得させるように涙声でインタビューに答えていたが、痛ましいことだと思った。山で死ねば本望などと言うのは、死者を鞭打つようだが、きれいごとではないだろうか。雄大で美しい光景を目の当たりにし、清浄な空気を吸えば、こういうところで死ねば本望と思うのも分からないでもないが現実は厳しい。捜索や救出、後始末に多くの人たちに多大の負担をかけるから、遺された者は本望などと到底割り切れるものではない。ロマンティックとは程遠いものなのだ。
トムラウシ山の遭難者は東京のツアー会社が企画して参加者を募ったもので、名古屋など各地から18人が参加し8人が死亡、美瑛岳の遭難者は茨城県つくば市の旅行会社が企画したツアーの参加者で、女性3人が参加し1人が死亡した。トムラウシ山では他に男性登山者が1人遭難死している。死亡した人の年齢は1人が59歳のほかは皆60代で、中には70歳近い人もいる。やはり高年齢ということで体力の消耗が激しかったのではないか。
大雪山系は難しい山が多いらしく、夏でもかなり気温が下がることがあり古くからよく遭難者を出している。今度遭難者を出したツアー会社は健脚者向きと謳って募集したようだが、それでも参加者の体力や力量には差があって、ついていけない者が続出したようだ。いくら夏山と言ってもかなり温度は低くなり、雨が降ったり強風が吹いたりすると、体感温度は零度近くになると言う。やはり高年者には無理だったのではないか。警察はツアーを企画した会社の安全管理に問題がなかったか、業務上過失致死の疑いで捜査を進める方針で捜索を行った。警察は悪天候下でツアーを決行したガイドの判断を重視しているようで、このツアーでは帰途の航空便が日程に組み込まれていて、予定通り下山するために、日程を優先させた可能性もあるらしい。やはり計画そのものに万が一の事態を想定していない点があったのではないか。
遭難した人達の登山歴はどれくらいのものなのかは分からないが、テレビのニュースを見た限りでは、50代になって山登りを始めた人はかなりいるらしい。おそらく大学の山岳部などに所属していた経歴の人はいないのではないか。最近は健康志向という風潮もあってか、休日の駅などには登山姿の中高年者の姿をよく見かける。最初はハイキングを楽しんでいて、それからだんだん山をトレッキングすることを覚え、更に有名な高い山を目指すというようになるのだろう。トムラウシ山は日本百名山に数えられているのだそうだ。今回はそれに憧れて参加し亡くなった女性もいるようだ。
私も若いときには生物クラブの生徒達と乗鞍など信州の山に行ったことはあるがすべて夏山で、それも植物の採集や観察が目的だったから本格的な山登りではなかった。やはり山は怖い。決して侮ってはならないと思う。山登りには何かロマンティックな思いが付きまとうようだが、ひとたび変化すれば山は猛々しく、ロマンティックどころではない。今回遭難死した女性の遺族が、妻は山で死ねば本望だと言っていたのでと、自分を納得させるように涙声でインタビューに答えていたが、痛ましいことだと思った。山で死ねば本望などと言うのは、死者を鞭打つようだが、きれいごとではないだろうか。雄大で美しい光景を目の当たりにし、清浄な空気を吸えば、こういうところで死ねば本望と思うのも分からないでもないが現実は厳しい。捜索や救出、後始末に多くの人たちに多大の負担をかけるから、遺された者は本望などと到底割り切れるものではない。ロマンティックとは程遠いものなのだ。