中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

年寄りの冷や水

2009-07-17 09:33:43 | 身辺雑記
 インタネットの『くろご式慣用句辞典』によると、「老人が冷水を浴びるという意味で、老人に不相応な危険な行為や、差し出た言動をすることの喩え。また、それを冷やかして言う言葉」とある。しかし続けて「『冷や水売り』(江戸では、大川=隅田川の水)の水を買って飲むこと、つまり、抵抗力の弱った年寄りが生水を飲むと腹を壊すことから出た言葉とする説もある。・・・「冷水を浴びる」という語源説より、こちらの方が、有力のように思う」と言っている。

 私はいい年をして冷たいものを飲んだり食べたりするのが好きだ。誰もそうなのだろうが、特に夏場は冷たいものに惹かれる。街に出ると冷たい飲み物が飲みたくなる。それも炭酸性の、飲むと喉を刺激するようなのが好きだ。冷たい飲み物を注文して氷が入っていると、飲み終わってもその氷を口に含んで齧るといういささかみっともないこともする。夏は麺は冷麺だし、蕎麦もざるだ。冷ややっこもいい。冷たい鱧の落とし(湯引き)などはたまらない。

 まさに「年寄りの冷や水」なのだろう。西安で謝俊麗の夫婦とその友人達と食事したとき、炭酸飲料のスプライト(中国語で雪碧シュエピ)を注文したら、小雨(シャオユウ)の母親に「年を取ったら冷たいものは体に悪いですよ」と言われた。中国人はとりわけ体の温とか寒、飲食物の温とか寒とかいうことに気を遣うらしい。特に食べ物は温かいものを好む。ビールも日本人が好むようなギンギンに冷えたものは飲まない。飲食物で体を健康に保つ食療ということには古来関心が強いようだ。

 私は暑がりだ。若いころは暑さも寒さも平気で、暑いときは汗を大量にかくと心地よく思うほどだったが、年を取るにしたがって暑さに弱くなり、それだけに冷たさを求めることが多くなったようだ。だから電車に乗っても弱冷車だと物足りない。部屋で寒がりの人がクーラーの温度を高くすると暑く感じることがある。

 この年になってあまり冷たさを好むのは、小雨の母親が言うようにたぶん良くないことなのだろうし、昔の人が言った「年寄りの冷や水」は言い得ているのだろう。今年の夏は少しは冷たさは避けようと思うが、これから猛暑の季節が訪れたら、それも覚束なくなるかも知れない。