中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

誰でもよかった

2009-07-08 09:06:59 | 身辺雑記
 またしても殺人容疑者の口からこんな言葉が出たらしい。大阪のパチンコ店が放火されて全焼し、死者4人、重軽傷者19人が出た惨事の容疑者が山口県の岩国警察署に出頭し、大阪府警に逮捕された。

 容疑者は41歳の男で、ホームセンターで購入した容器に、ガソリンスタンドで購入したガソリンを入れて現場のパチンコ店に行き、入り口付近でガソリンを撒いて火をつけた。逃げ遅れた人達が焼死したり一酸化炭素中毒死したりしたのだが、この男「通り魔みたいに誰でもいいから人を殺したいと思い、人が多数いるところに火をつけた」と言い、大量殺人を計画してガソリンを使ったようだ。動機はまだはっきりしていないが、「仕事も金もなく、人生に嫌気をさした」とも言っているようだ。

 41歳と言えば、昔なら「不惑」とされる年齢を超えているが、いくらそのような言葉は今時の40代には当てはまらないと言っても、この男の言動は常軌を逸している。近頃高校3年生が、他校の年下の生徒を撲殺したり、駅で同級生を刺殺したりした事件が相次いだが、人の命を奪うということがどれほど重大な行為かということに考えが及ばないのは本質は同じことだ。高校生の犯行理由は、自分が好意を持った女生徒を苦しめている者は存在させられないとか、仲が良かったのに冷たくなったとか、それくらいのことでなぜ簡単に殺意が起こり、実行するのかとまったく理解ができなかったが、少々荒っぽい言い方をすれば彼らにはまだ「動機」らしきものはある。しかし、まだ解明されていないにしても、この男の「動機」はあまりにも理不尽なものだ。被害者は浮かばれないし、遺族の怒りはどれほど激しいかと思う。

 批判を受けることを承知で言うならば、「人生に嫌気をさした」のなら自分にガソリンをかけて火をつけたらいいのだ。そんな身勝手な理由で何の恨みを受けることもないのに「誰でもいい」からと、たった1つしかない命を奪われてはたまらない。それにしても人生に嫌気をさしたからと言って、多数のゆかりもない人を殺そうという考えがどうして起こるのか、またそれをどうして実行できるのか、いくら考えても理解できない。少なくとも正常な行為ではないから、いずれ法廷では弁護人がまたぞろ「心神耗弱」だったと申し立てて刑の軽減を求めるのだろう。