最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

酒気帯び運転で物損事故 悪質なので懲戒免職退職金なしは妥当 ただし岡裁判官はおかしい

2024-07-14 06:36:24 | 日記
令和4(行ヒ)319  懲戒処分等取消請求事件
令和6年6月27日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄自判  大阪高等裁判所
 飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分を受けて地方公共団体の職員を退職した者に対してされた大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和元年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定による一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例

報道がないので、事実確認から見ていきます。

1 普通地方公共団体である上告人の職員であった被上告人が、飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分(以下「本件懲戒免職処分」という。)を受けた

市役所職員が酔っ払い運転で逮捕、懲戒免職です。

退職手当管理機関である大津市長から、大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和元年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定により一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分(以下「本件全部支給制限処分」という。)を受けたため、上告人を相手に、上記各処分の取消しを求める事案である。

改定後の大津市職員退職手当支給条例はあるのですが、前のものは見つかりませんでした。懲戒免職で全額退職金なしは厳しすぎるという訴えのようです。これって条例で決まっていますよね。就業規則と同じはずです。

(2)被上告人は、平成3年4月に上告人の職員に採用され、平成29年4月以降、総務部a課長の職にあった者である。被上告人には、本件懲戒免職処分を除き、懲戒処分歴はない。

おいおい、管理職ですか?そりゃ話になりませんがな。

(3)被上告人は、平成30年8月7日午後5時頃から午後10時30分頃まで自宅からの転居を予定していたマンションの一室において、同僚らを招いて飲食し、ビール及び酎ハイ各1本並びに発泡酒5本程度(いずれも350mL)を飲んだ。

これは人によって酩酊状態じゃないですか。

本件自動車の前部を駐車中の他の自動車(以下「被害自動車」という。)の前部に接触させてそのフロントバンパーを脱落させる事故(以下「第1事故」という。)を起こした。被上告人は、第1事故につき直ちに本件マンションの管理人や上司等の関係者に連絡することなく本件自動車の運転を続けたところ、さらに、本件自動車を道路の縁石に接触させ、縁石に設置された反射板をはがして本件自動車にオイル漏れを生じさせる事故(以下「第2事故」といい、第1事故と併せて「本件各事故」という。)を起こしたが、そのまま本件自動車を運転して帰宅した。

これはひき逃げに近いものがありますね。

(4)被上告人は、翌8日朝、本件マンションに赴き、管理人に第1事故を起こした旨を伝えるなどした後、警察に通報した。被上告人は、臨場した警察官に対し、当初、同日の朝に第1事故を起こした旨の虚偽の説明をしたが、警察官から前夜の事故ではないかと指摘を受け、その旨を認めた。

自首が成立するかは別として、きちんと警察に届けたと。しかし、自分でやったという自覚はあった訳ですね。これ直ぐに届けなければならない義務違反でしょう。

被上告人は、上司に電話して第1事故を起こしたこと等について報告し、後日、本件各事故に係る物的損害について被害弁償を行った。

人として最低限のことはやったということですね。

(4)市長は、被上告人に対し、平成30年10月12日付けで、被上告人が同年8月7日に飲酒した上で本件自動車を運転し、本件駐車場内で被害自動車に接触し、その後必要な措置をとることなく、公道を走行して帰宅したこと(以下「本件非違行為」という。)を理由として、本件懲戒免職処分をした上で、一般の退職手当(1620万4488円)の全部を支給しないこととする本件全部支給制限処分をした。

規則もあるし、こういうアホなことをする人を役所においておけないでしょう。当然の判断です。そして。こいつだけではなく防止策でもあるわけで当然の判断だと思います。

ところが最高裁判所はとんでもないことを言い出します。
(1)懲戒免職処分を受けた退職者の一般の退職手当について、退職手当支給制限処分をするか否か、これをするとした場合にどの程度支給しないこととするかの判断を退職手当管理機関の裁量に委ねているものと解され、その判断は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合に、違法となるものというべきである(最高裁令和4年(行ヒ)第274号同5年6月27日第三小法廷判決・民集77巻5号1049頁参照)。

こういうトンデモな事件と判例があった場合は、当然このブログで書ているはずなのですが。と探してみたら、ありました。

酒気帯び物損事故の先生、退職金0は権利の濫用ではない

実にとんでもない裁判でした。この理屈なら、逮捕歴もないこのブログ主が缶酎ハイ飲んで裁判官の実家に突入してみましょうか。物損で済めば大したことはないということになりますよ。これは明らかに犯罪を誘発する判断結果で、今回の判断もその匂いがしてきました。

(2)前記事実関係等によれば、被上告人は、長時間にわたり相当量の飲酒をした直後、帰宅するために本件自動車を運転したものであって、2回の事故を起こしていることからも、上記の運転は、重大な危険を伴うものであったということができる。・・・、本件非違行為の態様は悪質であって、物的損害が生ずるにとどまったことを考慮しても、非違の程度は重いといわざるを得ない。また、被上告人は、本件非違行為の翌朝、臨場した警察官に対し、当初、第1事故の発生日時について虚偽の説明をしていたものであり、このような非違後の言動も、不誠実なものというべきである。

あれだけ飲めば、悪質だと言われトンヅラこいたわけですから、そりゃ不誠実の評価で当然でしょう。

これらの事情に照らせば、本件各事故につき被害弁償が行われていることや、被上告人が27年余りにわたり懲戒処分歴なく勤続し、上告人の施策に貢献してきたこと等をしんしゃくしても、本件全部支給制限処分に係る市長の判断が、社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものということはできない。

お!今回は全額不支給を認めるんですね。


裁判官岡正晶の反対意見
1本件全部支給制限処分が、裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものということはできないとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄するとの多数意見には賛同することができない。

いきなり対決姿勢ですね。

2 個々の事案ごとに、退職者の功績の度合いや非違行為の内容及び程度等に関する諸般の事情を総合的に勘案し、給与の後払的な性格や生活保障的な性格を踏まえても、当該退職者の勤続の功を抹消するに足りる事情があったと評価することができる場合に、一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分を行うことができる旨を規定したものと解される(前掲最高裁令和5年6月27日第三小法廷判決参照)。

先のクソ判決を悪用した意見が出てきましたよ。

3 地方公務員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務しなければならず(憲法15条2項、地方公務員法30条)、また、その職の信用を傷つけたり、地方公務員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない義務がある(同法33条)など、地方公務員の地位の特殊性や職務の公共性が重視されることは当然であるが、地方公務員も勤労者であり生活者であることも軽視されるべきではない。

分かってませんね、田舎の公務員は特権階級なんですよ。民間ではこういう事故を起こせば懲戒免職は普通にあります。もっと現場を調べなさい。

4 一般の退職手当に給与の後払的な性格や生活保障的な性格があることに着目し、この観点から、被上告人の過去の勤続の功をみると、被上告人は平成3年4月1日以降本件懲戒免職処分時まで27年余りの長期にわたって上告人に勤続し、同処分以前には懲戒処分歴はなく、平成29年4月1日以降は総務部a課長という管理職を務めていた。同処分時点で退職した場合の一般の退職手当の金額は1620万4488円であった。被上告人のこの過去の実績ないし功績は相応のものであって重視されるべきものと考えられる。

決してはした金じゃないですよ。じゃあ働き始めて5年目で退職金が100万円だったら召し上げでいいんですか?そもそも退職金を道楽に使ってすってんてんになるような人もいますし、そんなもん貰わなくってもやって行けるように貯めている人もいます。こんな理屈にもならんことを言うな!

その根絶が社会全体の課題とされて久しい飲酒運転を行ったものであり、これ自体到底許されることではない。態様は悪質であって非違の程度も重いと評価でき、翌朝の対応も不誠実であり、被上告人が管理職である課長の職にあったことから、上告人の公務の遂行に相応の支障を及ぼし、上告人の公務に対する住民の信頼を大きく損なったと認められる。これらの事情は、勤続報償の対象となるだけの公務への貢献を行わなかったものと評価することができるものであり、

そもそも酔っ払い運転をしなければいいだけの話です。そんなに難しい話ですか?

裁判長裁判官 深山卓也
裁判官 安浪亮介
裁判官 岡 正晶  トンデモクソ意見
裁判官 堺 徹
裁判官 宮川美津子

岡裁判官だけがトンデモで後は妥当な判断だと思います。