大三坂途中(下の方)に建つ、大正10年に仁壽生命函館支店として建てられた建物。全国で活躍し、函館にも多くの名建築を残している関根要太郎の設計ではないかと言われている。
コーティング・シュティール様式のスタコッタ塗りが目を引く。
数日前の新聞に出るまで、大三坂にこんな建物があったことさえ知らなかった。
旧仁壽生命が退去した後は海運会社の社屋としても使われ、その後、昨年10月まで一般住宅として利用されていたらしい。ただし、住宅は後ろの部分で、前の洋風の部分は物置として利用されていたようだ。
「近現代様式と和の蔵が近接し、歴史の生き証人のような建物」として、伝統的建築物に指定されていた。
この建物を箱バル不動産が買い取って、再生して、「大三坂ビルヂィング」として来冬にオープンする計画らしい。そのテナント募集も兼ねて、昨日と今日、内部の一般開放をしていた。
左奥の10月まで利用されていた住宅部分は、箱バル不動産が4部屋のゲストハウスとして運営するらしい。
テナント募集は、蔵と洋風の建物部分のみ。
<公開されていた内部の様子>
玄関の正面の階段
蔵の1階部分
旧仁壽生命時代からのものと思われる大きな金庫
洒落た縦長の洋風窓
2階の前方のキッチンのある部屋(このキッチンは撤去するらしい)
2階の前方の部屋のきれいな天井
建物はかなり老朽化しているが、天井の装飾などに建設当初の面影を色濃く残している。旧仁壽生命時代から使われていた大きな金庫や建具が印象的。ただし、再生プロジェクトにはかなりの手間と費用が掛りそうだ。みごとに再生し、テナントが入って運営されるようになったら、ぜひ再訪してみたいものだ。