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旭岳7合目付近の登山道・・・雪で覆われて、吹雪と霧の中では登山道が分からなくなってしまう
10/17に旭岳で霧と吹雪による視界不良で登山道が分からなくなり、遭難した横浜のご夫妻と新婚旅行中の外国人の男女4人全員が無事に救助されたことはうれしいニュースだった。ひと晩でもうダメだろうと思っていたが、よく無事に一夜を過ごせたものだと感心した。
助かった要因は、風の当たらない谷地形の窪地に避難していたこと、動き回らないで体力が温存できたこと、低体温症の外国人の男性の体温を下げない工夫をしていた(使い捨てのレインコートや断熱シートの持参)などが報じられている。横浜の男性は学生時代に山岳部だったということもあり、基本的な知識があったのだろう。
自分も、夏であっても、上下のカッパはもちろんだが、インナーダウン、断熱シート、ツェルト(簡易テント)は常にリュックに入れて持ち歩いている。
このような事故が起きるたびに、登山愛好者としては胸が痛むし、教訓として生かさなくては・・・と思う。まず、自分ならあの天候では登らなかったと思う。4人とも多分初めての旭岳だったのであろう。
上掲画像でも分かるように、旭岳の登山道は姿見池から上は、木や草が一切生えてなくて、一面火山礫で覆われて踏み跡しかない。当然雪が積もると登山道は隠れてしまう。ペンキが塗られている岩の表示も見えなくなってしまう。ましてや、霧や吹雪では目指す方向すら分からなくなってしまう。その中を登って行き、戻るときに方向を見失って画像の左側の斜面を下ったことが、今回の遭難の原因であろう。
自分がもし同じような状況になったときにはどうしたであろうか?と考えてみる。まず、間違ったと気付いた時点で戻って登り返すべきだった。そのまま下ってしまったらしい。ましてや、その下には別の登山道はない。山では「迷ったら戻れ」が鉄則である。ここの登山道は地獄谷の崖の縁の尾根に続いているので、それを登るときに頭に入れておけば、吹雪で自分たちのトレースが消えていたかもしれないが、登り返せば、登山道に出たのではないかと考える。
単独行の多い自分はいつもGPSを持参している。そうでないときは地形図と磁石は持参すべきである。学生時代に山岳部だったとすれば、地形図と磁石の使い方は知っているはずである。それらを持参していれば、このようなことにはならなかったと思われる。
今日の新聞でもGPSの効能が報じられていたが、GPSは迷っても自分の位置の緯度経度が分かる以前に、地形図上に自分の現在地が表示されるので、視界が利かなくなっても心配はない。さらに、それまで歩いてきたトラックログが記録されているので、たとえ迷ったとしてもそれを頼りに戻ることができる。
最近は、スマホの登山アプリが多々あるので、それを利用している人も多い。しかし、スマホは電池の持ちが短い。自分はGPSがあるのでそのアプリは利用していないが、いざという時のために連絡用のガラケーもいつも持ち歩いている。
余談だが、今回テレビに何度も出た道警山岳救助隊の隊長である西村和隆氏の姿が非常に懐かしかった。2014年に毛無山で行方不明になった齋藤浩敏さんの自分たちの自主的な捜索活動を連日アップし続けた拙ブログを毎日チェックして下さり、遺体が発見された当日には直接お会いできた。そのときに我々の捜索活動を非常に誉めて下さったこと、その日の捜索最中にも何度か電話でやり取りをしたこと、颯爽と隊員の先頭に立って山に入って行く姿が非常に恰好良かったこと・・・などを思い出した。