この度、五稜郭タワーに無料観覧常設施設「植木蒼悦ギャラリー」が開設された。函館出身で、「河童」をモチーフとする独特の絵画で知られる画家であり、俳人でもある。
函館市の美術品コレクターである江成勇男氏から植木蒼悦に関する江成勇男さんから作品群450点を譲り受けた。現在は「啓蟄(けいちつ)」など15点を展示。タワー低層部2階の一室を改装、観覧無料の展示ギャラリーとした。
この植木蒼悦の名前を知ったのは、かなり以前から長万部町にある「植木蒼悦記念館」の存在だった。てっきり長万部ゆかりの画家だと認識していた。しかし、今回、このニュースを目にして、プロフィールを見たが、長万部には一切関わりのない方だった。こちらは、長万部町在住の開業医・工藤豊吉氏が私財を投じて集め、蒼悦が没した1983年(昭和57年)に町に寄付したことがきっかけで設立され、現在も公開されている。
植木蒼悦は明治29年に函館に生まれている。学生時代に「二科展」への入選を果たすも、生活の為に税関の職員として各地を転勤する中で、独学で絵画技術の研鑽を深め、また、37歳で函館に戻ってからは、函館大谷高校の美術講師を勤めながら画業に専念、独特の芸術世界を築き上げたという。しかし作品を売ることは一切せず、その為、生活は「清貧」という言葉を地で行くものであったようだ。1971年(昭和46年)函館文化賞も受賞している。
それぞれユニークな河童の表情が楽しい。今後、ほかの作品との入れ替え展示が楽しみである。
◎五稜郭タワー、ブルーにライトアップ~「世界自閉症啓発デー」
4/2の世界自閉症啓発デーにあたり、18:30から五稜郭タワーの塔体を啓発デーのシンボルカラーであるブルーにライトアップされた。