癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

忘れられた感の強い歴史的建造物「小熊倉庫」ほか

2020年04月09日 | レトロ建築・古民家カフェ

 新型コロナの影響で、予定されていた自分に関わるいろいろなイベントや会合が次々と中止になっている。不要不急の外出となるが、「3密」を避けて、ウォーキングなどでストレス解消を図るしかない。

 函館市末広町~大町の海沿いの地域はかつて東濱~仲濱~~西濱と呼ばれた地域で、開港間もないころから北洋漁業の全盛期にかけて栄えた地域で、当時の面影を残す建造物も多い。今日はこの辺りをじっくり眺めたくて、往復約12kmのロングウォークに出掛けた。(途中雨に降られて雨宿りを繰り返しながらしぶとく歩いたが、帰りは函館駅前からバスに乗った)

 その仲濱で、緑の島の隣の掘割沿いに、忘れられた感の強い歴史的建造物が2棟ある。それが「おぐま冷蔵」の裏手に建つ、朽ち果てた感の強い鉄筋コンクリート造の倉庫と製氷場だ。これは、現在の「おぐま冷蔵」の前身である「小熊倉庫」の冷蔵施設として大正14(1925)年に使用が開始されたものである。

 この倉庫会社は新潟出身の北洋漁業家で、明治末から昭和のはじめにかけて函館商人のリーダー的存在だった、小熊幸一郎(1866~1952)が創業したもの。大正12(1923)年にこの土地を買収し、ここに新たな倉庫を建てている。それが現存する鉄筋コンクリート造のこの倉庫である。当時としては最先端の鉄筋コンクリート造である。

 なお小熊倉庫は、冷蔵倉庫としては北海道内で二番目に造られたたものだったという。これまでの煉瓦倉庫とは違い鉄筋コンクリートで建てられたというのは、保冷性や気密性を考えてのことだろう。

 ちなみに、ここで保管されたものは北洋で獲られた鮭と鱒。今までの缶詰や塩鮭や加工鮭とは違う、鮮度の高い製品を提供できるようになったのである。なおこの倉庫の屋根は、平坦な形状のフラットルーフ(陸屋根)で造られているが、竣工時はここで干鰯(ほしか:イワシを乾燥させて作った肥料)を作っていたそうである。建物は倉庫として使い、屋上で干鰯を作るとは何とも商魂逞しい話である。

 竣工から90数年、建物の痛みがかなり激しくなっているが、北洋漁業が全盛だった当時の函館の歴史を物語る、貴重な産業遺産である。いつ解体されるか分からないので、今のうちにとカメラに収めて来た次第。

 緑の島から眺める・・・壁に小熊を表す?「小」の文字が上と下に見られる。石垣の岸壁も当時のままのようだ。

 

南面

 

北面

後ろに建つ、「製氷場」の大きな文字の残る建物

 

 背中合わせに建つ現在の「おぐま冷蔵」の社屋

 

◎途中で目にしたほころび始めた紅梅

 

◎昼食に食べた十字街の櫻井家の緊急企画500円のラーメン

 この店は、毎週水曜日に500円ラーメンを提供している。しかし、今回は新型コロナの緊急企画で、3/2~3/25の間「全メニュー500円」の提供をしていたが、好評につきさらに延長しているらしい。せっかくの機会なので、昼食にと思い初訪問と相成った。普段は780円の味噌ラーメンを500円で食べることができた。まあまあ美味しいラーメンだった。

 このほかに、古民家カフェにも寄ったので、後日アップ予定。