稽古開始。冒頭シーンを当たる。まだ方針が固まらないが、要はまず戯曲に書かれている内容を咀嚼することだ。……舞台上に限らず「会話」とは「会って話す」だが、「会う」とは「互いに」ということだ。相手に通じてなんぼ、だ。自分が話したいことだけ一方的に話すのでは「会話」になっていない。だったらレポートを書いて出せばいいのである。相手がいる、つまり、聞いている者も話している、参加しているという状態が「会話」である。「話はするものではなく、聞くもの」としばしば口にする所以。ほとんど聞き役なのに話を進行させている、ということは自然にある。
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