Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「後方支援」の「後方」はどこまで広がるか

2014-07-16 | Weblog
安倍晋三首相は15日の参院予算委員会で、集団的自衛権の行使を容認した1日の閣議決定を受けて、国連安全保障理事会決議に基づく多国籍軍に対する自衛隊の後方支援活動について「当然、身を守るため」、自衛隊が攻撃を受けた場合の正当防衛・緊急避難や、任務を妨害する勢力を排除するための「武器使用」があり得るとした。
「身を守るため」の拡大解釈がなし崩しになっていき、戦争に直結することは目に見えている。
「戦闘地域」と「後方支援を行う場所」の区別はどうやって付けられるのか。「武装集団との衝突」は「戦闘にならない」保証はあるのか。国際協力活動といいながら自衛隊が「自己防衛」を言い訳に多国籍軍の武力行使に加担する可能性はないのか。
1日の閣議決定は後方支援について「非戦闘地域」に限っていた従来の枠組みを撤廃し、「他国軍隊が現に戦闘を行っている現場」以外なら可能と明記しているわけで、当然この解釈にしてくるだろうと思っていた。
「その瞬間に銃撃・砲撃が起きていなければ〈非戦闘地域〉」という解釈ならば、「戦闘直前や戦闘が中断している地域」でも「他国の武力行使との一体化」には当たらないとする緩和は、戦場でいったん攻防が休止した瞬間そこに行けば、自分から戦闘に巻き込まれに行くことを可能とするのか。
「自衛隊は格好の攻撃対象になる」という指摘を受けて「もし戦闘が行われれば、自衛隊はただちに引き揚げる」とした首相の説明は、矛盾している。

政府は、米企業からライセンスを得て三菱重工業が製造している迎撃ミサイル「パトリオット(PAC2)」の部品をライセンス元に輸出することについて、「防衛装備移転三原則」に基づき、容認する方針を固めたという。
国家安全保障会議(NSC)が輸出容認を判断するのは初めてになる。
こちらが「既成事実」になれば、「後は人を送り込むだけ」ということか。

海上保安庁は15日、米軍普天間飛行場の代替施設建設予定地の名護市辺野古沖で海上訓練を実施。辺野古漁港の沖合と辺野古地先近くの無人島の周辺でゴムボート2隻を出し、8人ほどが海中に入って陸側まで泳ぐ訓練を繰り返したという。第11管区海上保安本部は「特別なことではなく、通常から夜間も含めて海上訓練を実施している」と説明したが、そんなことはない。
海上ボーリング調査や制限水域を囲うブイ設置が近く予定されており、「基地建設に反対する市民らをけん制・阻止するための訓練とみられている」と報道されているが、こうして既成事実化していくことについて、あまりにもこの国は「受け入れすぎ」になっていないか。

なんだかこの沖縄の海も拡大解釈で言えば「後方」ということにされてしまいかねないような気がしてくる。ぞっとする話だ。

自衛隊の活動は、中東・ホルムズ海峡での「戦時の機雷掃海」も視座に入れているという。
その前に辺野古沖で「武装集団との衝突」が起きるという筋書きなのであろうか。
コメント
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