Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

パソコン代替わりと 高遠菜穂子さんの情熱と 映画化と 「タイ特集」再び告知

2015-10-17 | Weblog
あろうことかこんな時期にパソコンが壊れた。不調のため先週バッテリーを交換しそれですむと思っていたらそうではなかった。しばらくするとダメだった。最終的に起動状態に信用が置けなくなり、Apple Storeに通い、修復を試みたが、これはもうダメだとわかった。そもそももうとうにバッテリーも正規では売っていなかった旧型だ。基盤そのものがいかれていた。がさつな私だが意外と大切に扱ってきたつもりだ。自分もバッテリー交換時に内部を見たとき、なぜかそういう予感はあったが、まあこれはもう純粋に寿命であろう。Apple Store の女性ジニアスに「ここまで使い込んでくださって……」と感動のあまり?絶句されるほどには、使い切った形跡は明らかだった。悔いはない。自分で格闘二日、Apple Store で悪あがきと不良部分を避けての新機へのデータ移し替えで二日、もう旧来のワープロソフト「EGword」は使えない新バージョンなので、新しいワープロのシステム設定と諸々調整に一日、大変な時間のロスだ。しかし他に方法はなかった。どうにもならない。……色んな約束もパスした。何より仕事が遅れている。旧機もそこにしか残していないデータがあるのでだましだまし使わざるを得ない。まだまだつきあってもらう。きちんとだまされてくれ。(写真)

そんな中でも時間を確保して取材は続けた。劇作家協会戯曲セミナー研修課の講座もした。私の講座には常に重量級の作品に挑むもはや新人ではない獄本あゆ美という書き手がいるのだが、この新作がまた『ダム』『太平洋食堂』『南京』に負けない濃厚さである。まもなくPカンパニーによって上演される。……二期前までこの講座にいて小説家に転身した中澤日菜子の出世作『お父さんと伊藤さん』は映画化作品が完成間近のようだ。ヒロインが上野樹里、お父さんが藤竜也、そして伊藤さんがリリー・フランキーという。監督はタナダユキ。これが当たれば次々に映画化されるだろう。というか、当たるはずだ。……映画化といえば、平田オリザ原作『さようなら』の試写にはなんとか滑り込めた。あれはどういうモーフィングだろうか、後半、R指定も頷ける、ものすごいワンカットがある。

慶応義塾大学で「イラククルド報告会」、芸文学会の扱いで、巽さん、大和田さん、粂川さんのお世話になる。後半のシンポジウムに出る。高遠菜穂子さんの本気と情熱にうたれる。夏の〈非戦を選ぶ演劇人の会〉にゲスト出演された泥憲和さんが大阪から来てくださって、初めてちゃんと話す。明晰でかっこいい人だ。

……………………

で、開催は月曜に迫っているのに、まだまだ予約では定員に及ばず、ほんとにもったいないので、重ねて〈海外演劇紹介プログラム〉「タイ特集」の宣伝をさせていただきます。

劇作家協会国際交流部が新たに始める〈海外演劇紹介プログラム〉。第1回は「タイ特集」です。
タイ演劇研究の第一人者・千徳美穂さん。そして今秋から文化庁の在外研修でロンドンに行く鈴木アツト君が出発前、最近入れ込んでいたタイについて、報告します。

……………………

劇作家協会国際交流部では、海外の演劇事情について知り、過去に海外の国・町を訪れた体験を持つスピーカーとともに、その地の実情に触れる機会を作る《海外演劇紹介プログラム》をスタートさせます。

在外研修・海外公演・フェスティバル参加などでその地での体験を持つスピーカーを囲んで、その地の社会・文化・演劇に関心を持つ者や将来留学を考えている者たちが集まり、一つの国・あるいは町について情報を共有し、その魅力を紹介しあい、考察を深めます。

日本に住む者が「内向き」になったと言われるこの時代だからこそ、求められている企画です。
奮ってご参加ください。


第1回「タイ特集」

【日時】10月19日(月) 19:00ー21:30(予定)
【会場】劇作家協会事務局・会議室 (東京都杉並区高円寺北2-29-14-501)
【参加費】無料

【スピーカー】鈴木アツト(劇作家協会会員)、千徳美穂(タイ語翻訳家)
【国際交流部担当委員】坂手洋二、土田英生

[スピーカープロフィール]
▼ 鈴木アツト
1980年東京都生まれ。03年に劇団印象-indian elephant-を旗揚げ。10年より韓国やタイとの共同制作を開始し、12年には韓国の「密陽夏公演芸術祝祭」「居昌国際演劇祭」に招聘される。代理出産ビジネスを扱った『グローバル・ベイビー・ファクトリー』で第18回劇作家協会新人戯曲賞最終候補。15年には国際交流基金のアジア・フェローシップでタイに2ヶ月間滞在し、その取材をもとに『グローバル・ベイビー・ファクトリー2』を発表。

▼ 千徳美穂
早稲田大学第一文学部演劇専修在学中の1986年6月から1年間、バンコクのタマサート大学文学部演劇科に派遣留学。2000年ー2001年、タイ国文化センターリサーチフェローとしてバンコク滞在。 野田秀樹作・演出『赤鬼(タイバージョン)』(1998年世田谷パブリックシアター)コーディネイトなど、日タイの演劇交流事業に携わる。

[申込み方法]
・メール件名=「タイ特集参加予約」としてください。
・記載事項=氏名・ふりがな・携帯電話番号・ご所属(特にご所属がない方も歓迎します)
・送信先= sec-02@jpwa.jp
 **同アドレスよりのメールが受信できるようご設定ください。

*参加費は無料です
*お申込み後36時間以内に確認メールをお送りします(土日祝は遅くなる場合があります)
*会場の都合上お早めにご連絡いただけると助かりますが、席に余裕がある場合は当日のご連絡でも承ります。きっと大丈夫。当日でも。

[お問合せ]
 日本劇作家協会事務局
 TEL: 03-5373-6923
 MAIL: sec-02@jpwa.jp

http://www.jpwa.org/main/activity/introduction-world

…………………………

タイの演劇情勢については、今回のゲストである千徳美穂さんの手による以下の記事がとてもよくまとめてあります。(事務局の国松さんが見つけてくれました)

http://www.nntt.jac.go.jp/centre/library/theatre_w/27.html
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