Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

同時代の面々に励まされる

2015-10-14 | Weblog
どんどん時間ばかりが経ってゆく。サボってはいないはずなのに仕事は進まない。雑務は飛び込んでくるし、来年以降のあれこれが考えてみれば当然なのであるが今なぜか押し寄せてくるし、書かねばならない書類もどーんとあるし、家庭の事情もあるし、いろんな思いの人たちの相手もしなければならないし……、でも、「勉強している限り人間怖いものはありません」と故・志村喬さんも言っていたし、まあ、とにかく、何とか生きている。内部も外部も打ち合わせ多々々……。結局まだ会えていない人もいるし、いやはや。
こちらが受ける取材もあったが、現在の要である創作行動としては、まだまだこちらがするべき取材がとにかく多い。身になることばかり。
合間に、でも、かねてからご一緒にと言っていた相手とまったく飲んだりしていないわけでは、ない。だが結果として大きな宿題をもらうばかりだ。友が皆、偉大に見える。ほんとうにそうなのだ。まあこちらも我が道を行くしかない。

この間、観た芝居は多くない。その中で、『月の獣』が、さすがは栗山民也演出。前半がより鋭いが、後半も隠されたワザが多々。勉強になる。照明と美術の掛け合わせ、シンプルな中にツボを鋭く突いてくる。占部房子、十年前に共に夫婦役で二人芝居をした身としては、ガッチリした夫婦芝居にざわざわするが、とにかく十五歳に扮しての冒頭の登場に、こんなのこいつしかでできんわいと思うし、その後も無駄なく充実していて、栗山さんとのカップリングが今の占部にはとてもいいのだろう、俺はこういう占部が観たかった。今年の占部は何を観ても素敵だ。

そして、ヒカシューと、ロシアから参加で映画「草原の実験」の音楽も担当しているアレクセイ・アイギ&最近ずっと燐光群の音楽を担当してくれている太田惠資、ファルセットのライブで、久しぶりに、渋谷ラママへ。ガールズのファルセット、好感度。とにかくヴァイオリン・ブラザーズ=アレクセイと太田さんが、どんな恋人同士よりもステディなディオで、まるまる30分間の即興は、至福。バイオリンという楽器が持っている、何か。良い子は真似しないで、の世界だ。後で、二人ともエッチだ、と言うと、あんたもね、と返ってくる。やれやれ。はい。ヒカシューもバンドとしての充実ぶりは問答無用、テルミンを操る巻上公一の動きがもうほんとにやんちゃでチャーミングで、中盤からのアレクセイ&太田も交えた演奏は途中から火がついて、さすがさすがの芳醇。とにかくこの晩は、元気をもらった。ヒカシュー「結成38年」に「え?」となるが、考えてみれば巻上さんとの出会いからとうに四半世紀を過ぎている。

素敵な同時代人たちに、感謝。

写真はアレクセイ&太田、二人のディオCD「ポルタメント島奇想曲」。いま聴いている。
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