Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

〈 深津篤史演劇祭 〉参加 『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M. ( 土日除ク) 』 ワークショップ 参加者募集

2016-12-30 | Weblog
オーディションをして劇団外部からの出演者を求めることは、最近よくある。

今年春の『カムアウト』もそうだったが、考えてみれば27年前の初演の『カムアウト』もオーディションをした。当時は小劇場の規模の大きいオーディションは少なかったから、ものすごく話題になったものだった。

新しい出会いは刺激的だ。
『カウラの班長会議』もずらりとオーディション組が並んだことで成果が上がったと思っている。
最近では他に『クイズショウ』『現代能楽集 初めてなのに知っていた』も、小規模だがオーディションをした。

今回、目的としてオーディションありきということではなく(その意味ももちろん含むかもしれないが)、これから上演する可能性のある作品を、リーディングを中心としたワークショップを行うことで、私自身が作品内容を探ったり、とにかく「俳優たちの空間」として試してみたいと思っている、密かに暖めていた企画がある。

〈 深津篤史演劇祭 〉が関西を中心に行われていることをご存じの方もいるだろう。
それに東京から唯一参加する予定の、深津篤史作品の中でも異色だが、私が〈劇作家協会新人戯曲賞〉の2次審査で強く押した作品がある。(最終候補にはならなかった)

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M. ( 土日除ク) 』

である。

この、人を食ったタイトルじたいが、深津の強烈な個性の発露である。

とにかく4日間をかけて、若い人たちとこの劇に向き合ってゆきたい。
戯曲を読めばわかるが、本当に若者たちだけのドラマである。
これにしっくりくる年齢の出演者は、確かにわが劇団にはそう多くはない。
いろいろな人とこの戯曲を試してみたい。

ふるってご参加いただきたい。

深津よ、こんなタイミングになってしまったが、おまえとこうして「一緒に仕事ができる」ことは、俺の心からの喜びである。

いろんな思い出が駆け巡る。

スタートだ。

最終的な上演について、まだ、詳しい日程や場所は未定。

写真は、今年の『カムアウト』稽古中のもの。オーディション時から素敵だった、清水美輝と百花亜希。本文とは直接関係ないが。

詳細は以下の通り。

http://rinkogun.com/fukatsuWS.html

     ※    ※    ※    ※    ※

〈 深津篤史演劇祭 〉参加
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M. ( 土日除ク) 』
ワークショップ 参加者募集
2017年2月1日(月)~4日(土)午後1時~6時 会場○梅ヶ丘BOX

関西を拠点に活動し、『うちやまつり』で第42回岸田國士戯曲賞受賞、『動員挿話』等で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞するなど高い評価を得ながら、2014年に46歳で亡くなった深津篤史。

2016年7月、深津作品を収録した3巻から成るアンソロジーが出版され、9月から関西を中心に「深津演劇祭」が始まりました。2018年3月まで、10を越える団体により、深津戯曲が上演されます。燐光群は坂手洋二演出『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』によって、この演劇祭に東京から唯一参加します。

深津氏が若き日に書き下ろし、わずかな機会しか上演されずに「エロスとタナトスに満ちた隠れた名作」と言われている『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』。本作は、不確かに見える私たちの行く末を暗示しているかのようです。「個」を指向しながらも互いに求め合おうとする人々を、透徹した眼差しで描き出し、現代社会の孤独と性の多様性について、時代と国を超えた普遍的なテーマとして、改めて問いかけます。

深津氏は1997年、燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健の『逃亡』を演出(世界初演)。これが氏の東京での初めての作品であり、その後も、同会場で燐光群による「ウィークエンドワークショップ」の講師を務めるなど、深津氏と坂手洋二、桃園会と燐光群は長く密接な関係を保ってきました。
その出会いから二十年、2017年度の上演に向けて、ワークショップを行います。リーディングを中心に、オーディションを兼ねた内容になります。

工業地域に近いビルの一室に、ベッドが置かれている。
登場するのは10名の男女。彼/彼女たちに名前はあるが、仮のものかもしれない。
同性同士・異性同士の身体の関係をにおわせている。
他愛もなく会話し、触れあい、無邪気に楽しんでいるが、
思うように生活が続けられず、町から抜けだそうとしている者もいる。
ゆらめくエロティシズムと生のはかなさ。ぬくもりを求める夜の営みが、朝の息吹に迎えられる。
もっとも闇が深い夜明け前、彼らは夢と現実とが交錯し、生の質感と自らの存在を確認する。


< 応 募 要 項 >
     募集人数○二十名以内(書類選考いたします)
     参加費用○5,000円(会場費・テキスト代込み)
     応募書類○履歴書と作文をA4サイズで作成し、以下にご郵送下さい。
     ・履歴書:要顔写真貼付。氏名・ 住所・電話番号・メールアドレス(PC/携帯共)
      身長・体重・年齢(生年月日)を明記。
     ・作文:志望動機の文章(1000字程度)
     ・ 郵送先:〒154-0022 世田谷区梅丘1-24-14 フリート梅丘202 燐光群・深津WS係
     ・ 締切:2017年1月23日(月)必着 
     ・ 書類選考にて参加の可否を通知いたしますが、二次試験を行う可能性があります。
     電話でのお問い合わせはご遠慮下さい。rinkogun@alles.or.jpでお受けいたします。


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「深津篤史コレクション I/II/III」について

全3巻・1300ページに及ぶ待望の作品集。代表作、戯曲賞受賞作から小品、掌編集、外部書き下ろし作品、遺作など厳選した20作品を収録。また、識者による寄稿や鼎談、深津氏が書いた多くの文章や詳細な年譜なども収め、その才能に触れる決定版の書籍。『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』はIIに収録。http://fukatsu-collection.info/購入フォーム/ よりお求め下さい。各2,500円(税抜)〜。
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