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昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

秋の風・蜩・秋刀魚@建長寺・鉢の木・東慶寺・浄智寺

2017-09-07 03:53:07 | 旅行記

前の逗子を拠点とした鎌倉旅行記の続き。
紀行中詠んだ句二句と、今日の投句一句。

建長寺に参拝し『鉢の木』で精進料理の昼食を摂った。
唯一夏期のメニューの「北条」、延命湯葉に鎌倉ビール、特製冷酒「北条時宗」。
湯葉や、生麩、飛龍頭、夏野菜が見栄えよく盛られた弁当で、まあ鎌倉に来たときの記念だ。
オカブがたった一人の客だった。
仲居さんが、昨日はお客さんで賑わっていたんでございますがねぇ、とぼやいていた。

線路を渡って、東慶寺へ行った。臨済宗の禅寺だ。
その昔、この寺は、縁切り寺として知られ、夫から逃れた女人はこの寺に駆け込むと離縁が成立されるとされていた。
また、禅学者、鈴木大拙がこの境内に松が岡文庫と呼ばれる草庵を結び、著述に専念したことでも知られている。
禅の研究そのものはもとより、その著述の原文の多くは英文で書かれ、禅の海外への普及に大いに貢献した。
その、鈴木大拙夫妻の墓は、岩波茂雄、西田幾多郎、安部能成とそうそうたる人物の墓の並ぶ奥に、質素な五輪の塔が立っていた。
このなかで、岩波茂雄の墓が際立って立派だった。学者と実業家との財力の違いだろうか。
墓域は見るべきものが多すぎて雑然とした印象だった。
しかし、境内は禅院らしい、秩序だった作庭で、茶席では、ちょうど飯後の会が開かれていた。

蜩の啼きて哲人虚しきや   素閑

道を戻り浄智寺に行った。この寺も臨済宗の禅寺で、鎌倉五山の一。
趣のあった山門は、真新しく改築・新装されていた。
拝観料200円也。
浄智寺の山内は、荒れた感じで、手入れが行き届いていない様子。
東慶寺の整然としたいでたちとあまりにも異なるので、途方に暮れてしまった。
雨が上が上がった。

荒れ寺の塚蕭々と秋の風   素閑

ただ、拝観コースは観光客向けに、趣向が凝らされていた。
腰越の山越えの疲れもあり、もう足が棒のようだ。
足を引きずるように北鎌倉の駅に戻り、宿へ帰った。

紀行はひとまず休憩。まだ続く。
今日の一句。

賤の家で焼ける秋刀魚も貴きや   素閑


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