「闇の浮かぶ絵」(再読) ロバート・ゴダード 文春文庫 上・下巻
Painting the Darkness 加地美知子・訳
19世紀のロンドン。
ひとりの男が11年の時を経て戻ってきた。
男の名はジェイムズ・ダヴェノール。
自殺する旨の手紙を残して消息を絶った准男爵家の跡継ぎだった。
元婚約者の出現に心乱れる人妻、憎悪に燃えるその夫。
頑として彼を認めようとしない母と弟。
それぞれの思いがやがてダヴェノール家の忌まわしき歴史の扉を開ける。
<文庫本前編裏カバーより>
周囲の動揺をよそに、あくまで紳士的なジェイムズ。
その記憶は本人であることの揺るぎない証拠と思われたが、不可解な“事故”が続くうち、人々の疑惑は膨らんでいった。
彼はいったい何者なのか?
ダヴェノール家の恐ろしい血の呪縛は消えたのか?
ゴダードの卓越したストーリー・テリングがさえるゴシック・ミステリーの傑作。
<文庫本前編裏カバーより>
ジェイムズ・ダヴェノール。
11年前に死んだと思った男が帰って来る。
しかし、それは本当に本人なのだろうか。
今ならDNA鑑定で身元を確かめるのだろうが。
ただそれだけの謎の解決はもっと簡単に終わるのかとも思われたが。
母キャサリンや弟ヒューゴーには認めない。
静かな展開だが、興味深く進んで行き目が離せない。
キャサリンが固くない否定する理由が最も気になり、きっと何かあるのだろうと。
段々、准男爵の家系のダヴェノール家で起こっていた事が分かって来る。
見た目とは違う、複雑な人間関係に心理的葛藤。
そして、意外な結末。
コンスタンスの事だけはあまり良く分からない。
死んだと思っていた婚約者や現れて心揺れるのは分かるが。
確かに、夫のウィリアムの裏切りと思われる場面も見せられるが、それをあっさり信じてしまう。
それまで、積み重ねた物はこの夫婦にはなかったのだろうか。
可愛い盛りの娘のペイシェンスもいるのに、と思ったら。
あっさり娘は置いて新婚旅行に出掛けて行くし
この頃は乳母もいるから、母親として娘と離れて暮らす事はそれほど不自然ではないのだろうか。
そこまでコンスタンスの魅力に惹かれたジェイムズ・ノートンも、不思議に思える。
メラニー・ロシターの方が魅力的に思えるが。
ジェイムズは純真さに惹かれたのか。
そこまでスティーヴン・レノックスは、悪に対して嫌悪があったのだろうか。
最後に取った行動がこの物語を正義にしたのだ。
鍵も握っていたのは、スティーヴン・レノックスの性質だったのかも知れない。
Painting the Darkness 加地美知子・訳
19世紀のロンドン。
ひとりの男が11年の時を経て戻ってきた。
男の名はジェイムズ・ダヴェノール。
自殺する旨の手紙を残して消息を絶った准男爵家の跡継ぎだった。
元婚約者の出現に心乱れる人妻、憎悪に燃えるその夫。
頑として彼を認めようとしない母と弟。
それぞれの思いがやがてダヴェノール家の忌まわしき歴史の扉を開ける。
<文庫本前編裏カバーより>
周囲の動揺をよそに、あくまで紳士的なジェイムズ。
その記憶は本人であることの揺るぎない証拠と思われたが、不可解な“事故”が続くうち、人々の疑惑は膨らんでいった。
彼はいったい何者なのか?
ダヴェノール家の恐ろしい血の呪縛は消えたのか?
ゴダードの卓越したストーリー・テリングがさえるゴシック・ミステリーの傑作。
<文庫本前編裏カバーより>
ジェイムズ・ダヴェノール。
11年前に死んだと思った男が帰って来る。
しかし、それは本当に本人なのだろうか。
今ならDNA鑑定で身元を確かめるのだろうが。
ただそれだけの謎の解決はもっと簡単に終わるのかとも思われたが。
母キャサリンや弟ヒューゴーには認めない。
静かな展開だが、興味深く進んで行き目が離せない。
キャサリンが固くない否定する理由が最も気になり、きっと何かあるのだろうと。
段々、准男爵の家系のダヴェノール家で起こっていた事が分かって来る。
見た目とは違う、複雑な人間関係に心理的葛藤。
そして、意外な結末。
コンスタンスの事だけはあまり良く分からない。
死んだと思っていた婚約者や現れて心揺れるのは分かるが。
確かに、夫のウィリアムの裏切りと思われる場面も見せられるが、それをあっさり信じてしまう。
それまで、積み重ねた物はこの夫婦にはなかったのだろうか。
可愛い盛りの娘のペイシェンスもいるのに、と思ったら。
あっさり娘は置いて新婚旅行に出掛けて行くし
この頃は乳母もいるから、母親として娘と離れて暮らす事はそれほど不自然ではないのだろうか。
そこまでコンスタンスの魅力に惹かれたジェイムズ・ノートンも、不思議に思える。
メラニー・ロシターの方が魅力的に思えるが。
ジェイムズは純真さに惹かれたのか。
そこまでスティーヴン・レノックスは、悪に対して嫌悪があったのだろうか。
最後に取った行動がこの物語を正義にしたのだ。
鍵も握っていたのは、スティーヴン・レノックスの性質だったのかも知れない。
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