しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ラスト・ファミリー」 ジョン・R・ミラー 

2010年02月25日 | 読書
「ラスト・ファミリー」 ジョン・R・ミラー  上・下巻  講談社文庫
  THE LAST FAMILY         石田善彦・訳

アメリカ、テネシー州ナッシュビル。
麻薬取締局(DEF)特別捜査官、レイニー・リーの息子が、ボーイ・スカウトでの山歩きの途中誘拐され殺される。
レイニーのもとに、元CIA情報部員マーティン・フレッチャーから自分が殺したと電話がある。
過去4年間のうちに、同じDEFメンバーの家族8人が死亡していた。
それも事故ではなく、フレッチャーの仕業だと分かる。
マーチィンは麻薬カルテルのスパイだったが、DEFのチームが罠に掛け捕らえる。
しかし、刑務所から脱走し、復讐を始めたのだ。
最後の標的はメンバーのボスだったポール・マスタースン。
マスタースンは麻薬密輸事件の手入れで部下を死なせ、自らも傷を負いモンタナの山奥で隠遁生活を送っていた
別れた妻と2人の子どもを守る為、マスタースンは行動を開始する。



子どもが殺される場面から始まる。
物語でも、子どもが死ぬのはとても辛い気持ちになる。
そんな重い雰囲気がずっと続くサスペンス。
誰からも逃げるように暮していたマスタースン。
フレッチャーとの対決の他に、かつての部下や家族との接触に戸惑い困惑する。
そんな心の動きも丁寧に書かれて読み応えがある。
用意周到なフレッチャーの仕掛けも、よく考えられていて面白い。
政治的な裏の話もあるのだが、そのあたりは、何となくどうでもいいような気がした。
マスタースンとフレッチャーが、お互いを追い詰めあう対決がメイン。
緊迫感が続き、一気に読んでしまう。
最後はやっぱりアクションになってしまうのだが。
しかし、船を逃げ場にするのはどうかと思う。
安全とは思えない。

マスタースンが主人公なのだが、1番心に残るのはレイニー・リー。
家族を失った喪失感と絶望が痛いほど伝わる。
だから、ずっと辛い気持ちになってしまう。

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