しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「9000マイルの約束」 2001独

2006年04月03日 | 映画
第二次世界大戦後、ドイツ人中尉のクレメンス・フォレルは戦犯としてシベリアへと送られる。極寒地シベリアでは、鉛鉱山での苛酷な強制労働をさせられる。
娘との再会を約束していたクレメンスは、愛する家族に再び会いたいとの強い思いから、脱走を試みるが一度目は失敗する。
しかし、ドイツ人医師の協力を得て、収容所からの逃走に成功する。
執拗に追ってくるソ連のカメリアフ中将から逃れながら、エスキモーやユダヤ人に助けられ、クレメンスは、3年の歳月をかけ9000マイル(約1万4208キロ)の距離を歩きつづけ、祖国ドイツに帰還する。


大戦の映画はたくさんあるが、あまりドイツの側から作られたものは観た記憶がない。
ドイツは第二次世界大戦では、悪者だから。
日本のはたくさん見ているのは、自分の国だからだろう。きっとドイツにもたくさんあるのだろう。
日本人も大勢シベリアに抑留されたので、収容所の場面は同じ経験をした日本人の事も思った。
これは、戦争の悲惨さを伝えてくれる他、たくさんのドラマが詰められた話。
兄弟をナチスに殺されたユダヤ人が、カメリアフに「助けられる人はすべて助けるんだ」と言った言葉が、命の重みを知っている人の言葉として、心に響く。
兄弟を助けられなかった辛さ、自分だけ助かった辛さが、もうどんな命を失いたくないと言う思いになったのだと思う。恨みも何もない一番大切な物を知った人。
反対にカメリアフは、あんなに意地になって臨まなくてもと思ってしまった。
彼の大切にしていた物は何だったのだろう。
最後に「私の勝利だ」と言ったのは、ソ連のスパイとしてクレメンスを売り渡したと解釈していいのだろうか。
クレメンスが家族と再会して、喜びの涙を流している時に、シベリアではまだまだたくさんの人達が辛い思いをしているのだと、そんな事も思ってしまった。



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