ジュゴン掲示板

ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は日本では沖縄にのみ生息しているジュゴンを守るために活動をしています。

1/27,28集い報告 東恩納琢磨さんのお話 4

2007年02月05日 | 活動報告
           長島からのぞむウフビシ

☆環境アセスメント

1月19日の「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」では、
環境アセスメント方法書の提示は見送られました。いつ方法書が
公告縦覧されるのかはまだわかりませんが、方法書に係る手続きには、
3ヵ月半ほどかかります。手続きが終わるのを待っていては、
5月~6月のサンゴの産卵調査は間に合いません。
そこで、那覇防衛施設局はアセスと切り離した「予備調査」として
サンゴの産卵調査を行おうとしているということです。
アセスの形骸化につながる事前調査を許してはいけません。


辺野古のサンゴ ハナガサミドリイシ

東恩納さんは「1998年の白化現象で、辺野古と大浦湾のサンゴは
ダメージを受けたが、ブダイや貝類に食べられるためか回復が遅く
産卵できるような大きなサンゴはあまりない」とおっしゃっていました。
今後食害から守るため、恩納村などでやっているように、網をかぶせる
などの取り組みを考えているそうです。このような状況では、産卵調査を
単年度で済ませることは疑問です。また、「防衛施設局はサンゴ、サンゴ
とサンゴばかりを強調しているが、大浦湾にはウミガメやその他
たくさんの貴重な生きものがいるんです」とおっしゃっていました。

今後、定点観測の場所を設けて、市民の手でサンゴの調査を
していきたいということです。


辺野古のサンゴ アザミサンゴ


1/27,28集い報告 東恩納琢磨さんのお話 3

2007年02月04日 | 活動報告
☆ジュゴン訴訟と大又遺跡

米国の文化財保護法は、域外適応といって、米国以外の場所でも
米国が関与し、文化財と認められたものについては、この法律が
適応されます。東恩納さんたちはジュゴンの海を壊す基地建設は、
米国の文化財保護法違反ということで、オークランド連邦地裁
(カリフォルニア州)に米国国防省を訴えました。
沖縄ジュゴン「自然の権利」訴訟 (PDF)

沖縄ではジュゴンはザンと呼ばれ、ニライカナイからの神の使い
として昔から大切にされてきました。オークランド地裁はジュゴンが
文化財であること、基地建設に米軍が関与していること(作るのは日本で、
日本国民の税金が使われますが)を認め、今後実質審議が行われることに
なっています。

昨年10月、キャンプシュワブ内に4つの遺跡があることが公表されました。
シュワブ内に貝塚時代遺跡/発掘調査数年必要? 
(沖縄タイムス 2005年10/29)

これらの遺跡は古代沖縄と本土の貝交易を通じた交流の、重要な
遺跡である可能性があります。この遺跡もジュゴン訴訟に追加できるかも
しれないと東恩納さんがおっしゃっていました。
また、遺跡の発掘に関して現地で、名護市教育委員会
との交渉がもたれ、調査の公平性を保ち、きちんとした調査をするため、
経費は防衛省のお金ではなく、名護市独自の予算で行うこと、調査を
公開することなどを確認しました。

シュワブ文化財 名護市、独自予算で試掘
(沖縄タイムス 2007年1/11)

遺跡の徹底した調査と保存が行われるよう見守っていきましょう。


海から見たキャンプシュワブ このあたりに遺跡が…



1/27,28集い報告 東恩納琢磨さんのお話 2

2007年02月04日 | 活動報告
       大浦湾カヌーツアー(じゅごんの里H.Pより)

☆自然を大切にした地域づくり
  大浦湾カヌーツアーなどエコツアー

2001年以来毎年、じゅごんの里には修学旅行生たちが訪れ、
大浦湾カヌーツアーを体験していきます。去年も約30校来たと
いうことです。カヌーにはエンジンがついていないので、
静かに大浦湾の自然を味わうことが出来ます。

海からキャンプシュワブを見た子どもたちが「あれはリゾートホテル?」
と聞くほど、キャンプシュワブは風光明媚な素晴らしい場所にあります。
最初は東恩納さんの基地の話をめんどくさそうに聞いていた子どもも、
帰るときには「おじさんがんばって!」と声をかけてくれたりするそうです。


マングローブ観察(じゅごんの里H.Pより)

大浦湾カヌーツアーのほかマングローブ観察、琉球紅型体験その他
色々な体験ツアーをすることができます。
もちろん、修学旅行でない一般のツアーも出来ます。
詳しくはじゅごんの里H.P
「各種体験ツアーのご案内」 をご覧ください。

東恩納さんはこの他、大浦湾のカタバル(干潟)にマングローブを
植えたり、もずく採りツアーを計画されたりしています。
自然を大切にし、いかすことで、地域をイキイキさせようというのが、
「じゅごんの里」の取り組みです。

1/27,28集い報告 東恩納琢磨さんのお話 1

2007年02月03日 | 活動報告
次に東恩納琢磨さんにお話していただきました。

名護市で普天間代替施設の受け入れの住民投票をしたのは1997年。
このとき住民は受け入れNOの意思表示をし、東恩納さんの基地建設
反対の運動もこのときからはじまりました。はじめの頃は「こんな苦しい
闘いは早くやめて、普通の生活に戻りたい」と思ったそうですが、
もう10年も闘いは続いています。これから先もすぐに終わりそうにも
ないので、今はいかに楽しくやっていくか、ということを考え工夫して
いるそうです。「沖縄の人、日本の人たちが基地を作らせないと言えば、
基地を作ることは出来ないと確信している。あと10年計画を遅らせれば
この計画はなくなる。」と話されました。

楽しくやる工夫のひとつは
☆海底貯蔵泡盛  あなたもオーナーに!

“難破して海底に沈んだ船から引き上げたワインは熟成がすすんで
おいしくなっている”という話を聞いて、「泡盛も海に沈めれば
おいしくなるのでは・・・。」と東恩納さんが泡盛サミットのときに、
大浦湾に泡盛「じゅごんの里」を沈めました。
それから1年、海中に眠る「じゅごんの里」が引き上げられました。
予想以上に素晴らしい味!と大好評。


泡盛を引き上げる東恩納さん(じゅごんの里H.Pより)

詳しくは「じゅごんの里」H.P の「日記」(2006年11/10と11日を見てください)

そして、なんと今回の集いにそのとき引き上げた貴重な
海底貯蔵泡盛を1本持ってきてくださいました。 


集い前に大阪、京橋にある事務所に立ち寄って
「海底貯蔵泡盛」を進呈してくださる東恩納琢磨さん

はじめは、スタッフだけで飲んでしまおうか、とも思いましたが、
せっかくなので、集い参加者の皆さんにも味見していただきました。
「まろやか~」な風味に、はじめて泡盛を飲んだという方も
泡盛ファンになるおいしさ。普通の「じゅごんの里」
との飲み比べをすると、「ぜんぜん違う!」のがよくわかり、
「どうして海に沈めるとおいしくなるんだろう?」と不思議でした。
(ちなみに普通の「じゅごんの里」もおいしいですよ)



泡盛で会場は一気に盛り上がりましたが、なんと自分の好きな泡盛を
大浦湾に沈めてもらうことが出来るのです。しかも沈めに行くときと
引き上げに行くとき、船に同乗することができます。
・ 記念ボトルオーナー料 1本5000円(送料別)
・ 注文が12本集まると沈めにいきます
お問い合わせは 
じゅごんの里
沖縄県名護市瀬嵩48
TEL&FAX 0980-55-8587  

「オーナーになることで、当事者になり、大浦湾を守る
気持ちを持ってもらえるんじゃないかと考えています」
とおっしゃる東恩納さん。集い参加者から何人も「申し込みたい!」
「きっとこの企画は広がりますよ」との声が上がりました。
大浦湾を自分の海だと思えるこの企画。
本当に大きく育てばいいなと思います。


海底に沈めた泡盛入りの宝箱(じゅごんの里H.Pより)


1/27,28集い報告 情勢 SDCCから

2007年02月03日 | 活動報告
「第2回じゅごんの里からのメッセージ」の報告ですが、
長いので何回かに分けてアップいたします。東恩納琢磨さんの
お話の前に先ず、SDCCから最近の情勢についてお話しました。

日米で普天間代替施設はV字形案で合意をしていますが、
地元は滑走路を沖合いへ出す修正案を提案しています。
1月19日の「普天間飛行場の移設に係る措置に関する
協議会」で政府は代替施設が出来るまでの「概略工程表」
を出したものの、基地計画の合意が出来ず、環境アセスメントの
方法書の提示などは見送られました。

名護市が沖合試案 シュワブ沿岸移設 (沖縄タイムス 1/18)
名護市 沖合いへ修正要求 第3回普天間移設協 (沖縄タイムス 1/19)


(V字沖合い修正案 沖縄タイムス 1/18)

政府と地元の合意が出来ないため、環境アセスメントの
手続きにも遅れが出ています。これは沖縄県民の基地に
反対する世論、リーフ上案を止めた海上座り込みなどの
反対運動、そして環境保護運動の力があるからです。
自信を持ってこれからもジュゴンの海を守る運動を続けていきましょう。


沿岸案修正 名護市主張に反論/守屋次官 立場の違い強調 
(沖縄タイムス 2006年3月28日)
「地元は『海は埋め立ててもらっていい』と言うが、私たちは環境団体(の抗議行動)と向き合って建物(飛行場)を造らなければいけない」と立場の違いを強調した。


新しいリーフレットを作りました

2007年02月02日 | ジュゴンブログ
「2010年を国際ジュゴン年に」

2008年、バルセロナ(スペイン)で開催される
IUCN(国際自然保護連合)第4回世界会議で
決議「2010年を国際ジュゴン年に」の実現向け
キャンペーンをはじめています。

このキャンペーンのことや基地建設のこと、「じゅごんの里」の
紹介、もちろんジュゴンの保護区についても、わかりやすく
説明したリーフレットを作りました。
街頭やイベントなどで皆さまにお渡しします。





このリーフレットで益々多くの人に沖縄ジュゴンと基地問題について
知ってもらえたらうれしいなあ。
ZAN