
一つのショーケースの中に物語を内包したコクーンを、もう一つのショーケースの中には歴史と物語の凝縮である本を積み上げた。(そのために集めていた古本に最近購入した数冊を加えたが、本当はもう少し欲しい)
ショーケースの中に閉じ込めてよいのかまだ考えている。閉ざされた空間が息苦しくは無いか、または展開を"待つ”種子となるか、などとグズグズ考えている。考えているうちにうとうと眠くなってしまう。仕方ないのでちょっと気分転換に本を開く。読み始めると文字が動きはじめた。文字が段々崩れて重なって死んで干からびた蜘蛛のようになってしまう。一つ一つ絡まった足を解いて文字に戻そうとしていたら細い線がピューッと一本解けてそのうち縦横無尽に走り始めてしまい頭の中はあっという間に真っ暗闇になる。ブラックアウト。
闇が少しずつ掠れてくるとショーケース(75x50x40cm脚付きで高さ140cm)がホールの中心から始まって無数に並び始め増殖してゆく。そうそうこれがやりたかったんだよね。ケースの中には何かがあったという気配だけが残っている。そうそうこれを作りたい。
しかし場所と時間の資金の、加えて体力の不足で今のところ出来そうに無い。大体作ったとして、展示する場所を見つけたとして、何処に保管しておく?
そのうちに実現したい。できるだろうか?