今、パスティナークの花があちこちの道端で咲いている。この黄色、黄緑の沸き立つ霞の様で、その脇にチコリの夕空色の花が並んでいたりするとそれは美しいものだなとつくづく立ち止まる。チコリもパスティナークの花も今がちょうど時期で道端は美しく縁取られている。
パスティナークの根は美味しい。湯がいたり、蒸したりしておいてから塩コショウして刻んでオムレツに入れたりするのが好きだ。もっとも店で売っているように大きな根はその辺の野原では見つからないのかもしれない。
味はニンジンとジャガイモが出会って仲良くなったようなそんな味だ。この地では昔は主食ともいえるほど消費されていたらしいが、やがてニンジンとジャガイモに取って代わられたという話で、ニンジンに比べると繊維も多くカリウム、プロテイン、ビタミンCが多い。クミンに似て食欲昇進作用、利尿作用があるが、医療方面から関心をもたれるほどの成分は無い様子だ。
しかしフロクマリンの所為で葉汁などと接触後日光に当たると皮膚炎を起こすということもあるので注意しなければいけない。
私はそれほど繊細な肌を持っているわけではないので、道端の花を遠慮なく手折ってきた。