2019年7月24日、水曜日、日本交通公社・旅の図書館の「たびcafe」セミナー
東北1,000kmをつなぐ『みちのく潮風トレイル』
~自然資源を生かしながた地域の活躍の場づくり~
に参加してきた。
ゲストスピーカーは環境省東北地方環境事務所の櫻庭祐輔さん。
こんなロングトレイルのコースが作られているなんて全く知らなかったので、とても興味深い話だった。
櫻庭さんの話を聞いていたら、早く『みちのく潮風トレイル』を歩きたくなった。
日本においても、『みちのく潮風トレイル』がきっかけとなって、ロングトレイルを楽しむ人が増えてくるといい。
たぶん、知らない方も多いと思うので、今回は「みちのく潮風トレイル」概要を当日いただいた資料と、櫻庭さんのお話をベースに紹介します。
はじめに、コースのルートは次のマップのとおりで、青森県八戸市から福島市までの太平洋岸を結ぶ約1,000km。
2019年6月9日に全線開通した。
海沿いのロングトレイルは、世界でも珍しい。
「みちのく潮風トレイル」をもっと知りたい方は ↓
http://tohoku.env.go.jp/mct/route/
▼英語版のコースマップ
八戸の種差海岸(たねさしかいがん)あたりがとっかかりとしてはお薦めの場所。
南三陸より南側は、コースから防潮堤が見えてきて、アスファルトの道が多くなる。
「みちのく潮風トレイル」は、東日本大震災からの復興につなげるため、環境省が2011年から取り組んでいる「グリーン復興プロジェクト」のひとつ。
もともと、この検討が始まったのは、欧米発祥のロングトレイルに取り組んでいた作家の加藤則芳さんが、
環境省に「ロングトレイルをつくることで、海外から旅行者が訪れ、被災地を広く知ってもらえる」と持ち掛けたのがきっかけとのこと。
加藤さんは筋萎縮性側索硬化症(ALS)で2013年6月に他界。
既に欧米人が結構このコースを歩いていて、彼らはSNS等で情報を仕入れているそうです。
欧米人は、日本人と違ってロングトレイルを楽しむ人口が多いのだろう。
自分のまわりにロングトレイルを楽しむ人は見当たらない。
(余談)
また、この会に参加した人のお話では、フランス人の東北愛はすごいと言ってた。
近年、日本語ができるフランス人の数が大幅に増加しているという話もされていた。
【ルート設定】
環境省職員による全線調査後、環境省、市町村担当者、地域の観光業者、地域住民らがメンバーとなって座談会や現地調査を開催し、路線情報を収集。
全線調査はゲストスピーカーの櫻庭祐輔さんで、こういうケースはないそうです。
櫻庭さんは指南役の加藤さんに「設定者が自ら歩いてルートを設定すべき」という教えに従って47日をかけて全線を歩いた。
これにより、今は使われていないが、かつて存在した古い道(多くは集落間の物運び道路、かつての通学路であった山道)が復活。
このため、地元の人もこのトレイルコースに愛着がわき、地域の方々が道の管理作業に参加したり、道案内やトイレ・休憩場所の提供などを行っている。
そして、これがみちのく潮風トレイルの魅力になっている。
【日本のロングトレイルコース】
◎東海道自然道(東京~大阪)
◎九州自然道(九州一周)
【トレイル関係の本の紹介】
▽「森の聖者 自然保護の父」 加藤則芳著
▽「トレイルズ」 ロバートムーア著
▽ワールド・トレイルズ
▽「日本10大トレイル」 シェルパ斎藤著
▽「ロング・ロング・トレイル」 木村東吉著
▽「ジョン・ミューア・トレイルを行く」 加藤則芳著