■2022年11月16日、水曜日、二の酉。
この日の夕方、酉の寺で有名な浅草・長国寺に熊手守りを買いに行ってきました。
▼酉の寺・長国寺
▼鷲神社
この日購入した熊手守りは
会社用の「開運大熊手守り」と自宅用の「かっこめ熊手守り」です。
▼開運大熊手守り
▼かっこめ熊手守り
「かっこめ熊手守り」は
運を開いて福を呼び込む、江戸時代から変わらない開運招福の守り熊手で、長國寺で授与していました。
小さな竹の熊手にたわわに実る稲穂を付けたお守りで、福をかっ込むという江戸っ子らしい洒落が利いています。
江戸時代には髪や襟首に差すと強運に恵まれるといわれ、絵にも描かれたものでした。
「開運大熊手守り」には
剣をかざして鷲の背中に乗る菩薩(鷲妙見大菩薩わしみょうけんだいぼさつ)さまが描かれ、
さらに下には北斗七星が描かれた金色の紙が付いています。
中沢新一氏の著書「アースダイバー」にこの熊手の図柄の話が書かれています。
以下、「アースダイバー」の抜粋です。
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鷲の背中に乗っている菩薩さまは、北斗七星に取り囲まれた北極星をあらわしている。
北極星は天空にあって少しも動くことのない星として、宇宙の秩序そのものをあらわしている。
これに対して、鷲は、太陽に最も近い、高いところを住処とする鳥だと言われている。
すると宇宙の秩序を守っている北極星が、鷲の背中に乗って地上に近づいてくることで
太陽が地上に近づいてくることになる。
ここでお酉さまの縁日がいつ行われているかというと、一年のうちで日没が最も早くなる時期に合わせている。
つまり、太陽の力が最も弱くなり、昼と夜のバランスが崩れてしまう季節を選んで北極星の神さまは、鷲を連れて地上に来臨し、それによって失われた宇宙のバランスを回復しようとしているのだ。
おまけにである、北極星のことを現在でも、北方の狩猟民たちは地上の森に棲む、動物たちの王である熊と結びつけて考えている。
天空には北極星が、そして地上には熊が、それぞれの秩序を守る王として君臨しているというのが、
古い神話の考えなのだった。
図柄には熊の姿は直接描かれていない。しかし鷲と北極星が結びつくと、自然にそこに熊が寄ってくるようになる。
これが神話の思考である。
そこで、熊手の登場である。
竹を細工したこの道具を使って、人々は象徴的に富を自分の方にかき集めようとした。
宇宙ののバランスが崩れると、秩序に裂け目ができて、そこから自然に奥に隠されている富が、この世界にあふれ出してくる。そのわずかなチャンスをねらって、熊の手で一気に掻き込むわけである。
しかし、長国寺の熊手以外は、鷲の飾りはついていない。
なぜ、鷲神社の熊手から鷲の飾りが消えたのか。
鷲神社から鷲が消えたのは、明治37年、日本は帝政ロシアとのまっただ中、ロシアのシンボルが鷲であったため
それを縁起物として配るのはいかがなものか、と言い出す人たちが出てきたため
鷲神社は苦境に追い込まれ、大きく羽根を広げた鷲の図柄は、鷲神社の縁起物から消えることになった。
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