海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

ELMAR 65mm f3.5シルバーとブラックの描写違い

2022-10-25 | GFX+オールドレンズ

シルバーとブラックのELMAR 65mm f3.5

 

ELMAR 65mm f3.5前期シルバー開放で撮影

 

ELMAR 65mm f3.5後期黒開放で撮影

 

ELMAR 65mm f3.5前期シルバー開放で撮影100%切り出し

 

ELMAR 65mm f3.5後期黒開放で撮影100%切り出し

 

ELMAR 65mm f3.5前期シルバーf8で撮影 

 

ELMAR 65mm f3.5後期黒f8で撮影

 

上海人の友人から比べて欲しいと預かった、エルマー65mm f3.5のブラック(後期)と私のシルバー(前期)を簡単にテスト。どちらのレンズもキズやクモリは無くクリアーな個体。世間の噂では後期のブラックの方がシャープだという人もいるが、この二つの個体で比べる限りシャープネスは、ほんの僅かに後期型がシャープに見える程度。レンズを見て大きく違うのは、コーティングの色が前期はブルー系で、後期はアンバー系+赤が混じっているので、当時のライカのRタイプに見られるコーティングと同じと思われる。

前期と後期の画像をGFXの44x33サイズで比べてみると、撮影時にカメラも三脚も固定したままだったが、若干前期タイプの方が画角が狭かったが、これは海外のレンズによくある話。そして、後期タイプは前期タイプに比べて、色の傾向が若干Rにシフトしていて、前期の方がYにシフトしている。白い物を撮影した画像を比べると、前期のYシフトと後期のRシフトの差はとても少ない。コントラストが低い分、前期型の方がトーンのつながりは良いが、後期型の方がコントラストが高い分シャープに見えるのかも知れない。という事で、この2本の個体の差は、微々たるものと思って良い。ピント合わせは、ライブビューを使い拡大してピントを合わせたが、コントラストが若干高い後期型の方が合わせやすかった。

このELMAR 65mmf3.5の描写は素晴らしく、GFXで使ってもケラレが発生しないので、私はGFXの標準レンズとして任命しているくらい信頼している。ただ、このレンズはライカのビゾフレックス専用のレンズなので、今のデジカメで使う場合は複雑なマウント構成になる。このレンズ、最近は昔ほど人気が無いようだが、一本持っておいて絶対に損は無い名玉だと私た思っている。

☆GFX50S II+"039"ブランドのLED電球Sh50Pro-V(光量可変タイプ)+1灯ソフトボックスで撮影。GFX50SIIのRAWで撮影し、C1を使いフィルムシュミレーションはプロネガスタンダードに設定し現像。そして、このレンズの最短撮影距離で撮影しモニターで100%で表示し切り出した。

☆同一ブランドのカメラレンズで同じ焦点距離のレンズでも、海外のレンズは若干の違いがある。前世紀にハッセルのプラナー120mm3本を比べたら、3本とも画角が違っていた。

☆古いライカのレンズは、個体差が結構あった。最近は、専門知識がない人がメンテナンスしている物も出回っているので注意が必要。私は今所有のHektor 135mm f4.5に行き着く前の2本はハズレだった。そして、古いレンズはOH代金が高くても専門知識のある修理技術者を選んだ方がイイね。

☆前期のシルバータイプの重量は121gで後期のブラックは122g。一番の違いはフィルターサイズで、前期がズマリット50mm f1.5と同じ41mmで、後期のブラックはシリーズ6でフィルターを使うにはアダプターリングが必要。

☆このエルマー65mm f3.5には、ヘリコイドOTZFO(16464K)が必要で、さらに各カメラに付ける場合は、それ専用のマウントアダプターが必要。

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