「青い鳥」は、「幸福を運ぶ鳥」といわれ、また使い、使者ともいわれる。
だが、だからと言って待っていれば、青い鳥が幸福を運んでくるものではない。さらにまた、青い鳥が指し示す道は、幸福を目指した道でもない。
青い鳥が指し示す道は、「生命の道」なのであり、そこから幸せへと導こうとしている。
私たちが生まれ、そして生きていく世界、それは又生きて行け、生きていかれる世界は、生命的な世界である。
生命的であるということは、常に変化している。恒常に変わらず存在する、ということがない。恒常でなく常に変化するということは、「過去、現在、未来」というように「時間」を存在させる。
この中で、我々は「四苦」に見舞われる。いわゆる「生老病死」である。
このことは、この世に存在するすべてのものは、「生まれたなら、成長し、病気になり、老い、老化し、そして滅(死)する」ことになる。それが、習いとなっている。
しかし「知恵」というものを持つ人間は、この上に更に四つの苦しみを背負うことになった。
「愛しい者との別れ」、「憎い者との同時生活」、「欲しいものが中々手に入らない」、「何事も思うに任せない」ということになる。
こうした中で暮らす私たちだが、悲しくも哀れなことに、「豊かさ、楽しさ、楽(快適、便利)」を求めて止まない。それがどういう事になっていくかというと、「少子高齢化」を誘発していく。
「豊かさ、楽しさ、楽(快適、便利)」を求めて発展発達してきた科学技術や医学は、老齢社会を増大させた。それに対してこの恩恵により結婚したがらない若者、殊に女性が増え、子供を産みたがらない女性も増えている。それは何故かと言わせると、結婚や育児で苦労したくないからだという。即ち「豊かさ、楽しさ、楽(快適、便利)」に過ごしたいということになる。それは、社会が「豊かさ、楽しさ、楽(快適、便利)」にし向けて、少子化を呷っていると言ってよい。
「四苦」は、自然的な流れのものである。
だがそれに後四つのものは、人間的なものである。
この後四つのものの人間的なものは、自然的なものを加速させるものともなる。
それが「少子高齢化」現象であり、「地球温暖化、環境汚染、気象異常、生態系の絶滅」などにも表れている。
こうした現象は、我々人間が、自分で自分の喉首を徐々に締め上げているようなものである。
今私たちは、こうした現状に気付き、人間的世界の進路ではなく、自然的世界の進路へと舵を切っていかなければならない時である。