青い鳥の世界へ

人として厳しい中で生きていかなければならない中、少しでも良い世界になったら。そして、より明るく、清らかに、暖かく。

信仰の門

2012年07月19日 | 宗教観

釈尊が出家に至る故事が、「四問出遊」という説話になって残されている。

釈迦しゃかが出家する前、まだ太子のとき、王城の東西南北の四つの門から郊外に出掛け、それぞれの門の外で、老人・病人・死者・修行者に出会い、その苦しみを目のあたりに見て、人生に対する目を開き、出家を決意した

この事は、仏教における「信仰の門」を指し示すものともなっている。
仏教における門には、「禅門、菩薩門、易行門(浄土門)がある。
「禅門」とは、浮世のしがらみと決別し、欲得や苦楽、憎しみ、嫉妬、怒り」から全て離れるための門で゛ある。
「菩薩門」とは、「人のためになることをすること、思いやり、働きかけ」の門である。
そして「易行門(浄土門)」とは、我々が生まれ生き、生かされている世界は「自然世界」であるから、この「自然世界」で有りのままに、また生きるための生産活動もこなしながら突き進もうとする門である。

「禅門と菩薩門」には、浄土門が持っている「生産活動」は人任せにして、「禅門」は利己的な安楽を、「菩薩門」は集団化だけの安楽と発展を目指している。このために「菩薩門」の者などは、政治になどにも関わりをもったりして教団の発展を目指したりする。
 これに対して「浄土門」は、土着化している者たちによって成り立ち、政治的なことや権力的なことには関わりを持たない。

仏教における「信仰の門」は、このように3つあるが、その外にもう1つの門がある。
このもう一つの門とは、「禅門、菩薩門、易行門(浄土門)」をすべて対等になるように受け入れている門である。
この門を「中道門」という。

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