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人事マネジメント研究所「進創アシスト」からの情報発信

■コラム■ 「時間がないから・・・」と言う部下

2022-08-16 00:00:39 | 人事マネジメントの視点
 
都合がいい言葉
部下にやってもらいたい仕事がある。話をしたら部下からは「忙しくて時間がないからできない。」という言葉が返ってきた。無理を重ねた過剰な要求をしているわけではない。他の部下と同じように、忙しい中でも一段上の対応力を付けてもらいたい。その成長を期待しての考えだが、理解してもらえない。「時間がないから・・・」は、その部下の思考や行動パターンからすると容易に想定できたが、その対応を準備していなかった。よくあるケース。
部下の立場からすると、仕事を頼まれたときに思い浮かぶのは、その仕事を完璧にやらなければいけない。今やっている他の仕事が疎かになる。そんな余裕はないし、出来なかったときの責任をとりたくない。マイナス評価されたくない。だから、断りたい。「時間がないから・・・」は、都合がいい言葉。上司が部下のタイムスケジュールを常々把握していれば別だが、そうでなければ使いやすい。
100点か0点かという二極化で考えるクセをもった者がいる。上の部下もこのタイプ。完璧でなくても現状より+5点、いや+1点でも力をつけてくれればよいが、それを理解してもらうには、上司側の伝え方を工夫する。
 
現実的な選択肢
一つの仕事には、細かく分ければいくつかの作業がある。そのいくつかの作業の一つに焦点を当てる。例えば、
・プロセスの全部ではなく、この◎のプロセスだけ
・一日中ではなく、1時間だけ、又は30分だけ
・毎日ではなく、〇曜日と□曜日だけ
・常にではなく、△のときだけ
・一人ではなく、サポート役の◇さんと一緒に
など場面を絞ったり、協力があったりすると、ハードルが下がり、引き受けやすくなる。
部下がやれそうな現実的な選択肢を用意しておく。そして、その中から部下に選んでもらう。業務指示であったとしても、ただやれと言われただけの受け身100%状態で仕事をするときと、選んで仕事をするときを比べると、後者の方が効率性はよい。
また、そのときは引き受けてくれなくても、次に頼んだとき部下の方から「これだけ(この条件)だったらやれます」という発言が出ることがある。部下も客観的に仕事の全体像をつかめるようになってきている証拠で、これも成長の一つとみる。そして、いくつかの作業の一つであっても取り組んだら褒める。褒めるは、その行動を習慣化させる。小さなことだが、これらを根気よく続けていくこと。
 
コメント
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