今回ご紹介するのは「謎解きはディナーのあとで2」(著:東川篤哉)です。
-----内容-----
令嬢刑事麗子と風祭警部の前に立ちはだかる事件の数々。
執事の影山は、どんな推理で真相に迫るのか。
そして、「影山は麗子に毒舌をいつ吐くの?」
「二人の仲は、ひょっとして進展するのでは?」
「風祭警部は、活躍できるのか?」
など、読みどころ満載な上に、ラストにはとんでもない展開が待っていた!?
大ベストセラー続編!
-----感想-----
というわけで、2011年の本屋大賞受賞作「謎解きはディナーのあとで」の続編となる今作。
※「謎解きはディナーのあとで」のレビューをご覧になる方は
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今作でも大財閥・宝生家の令嬢にして刑事である麗子と執事・影山の軽妙かつ笑えるやり取りが満載、そして風祭警部の無能ぶりも相変わらずで、とても面白い一冊でした。
もちろんミステリー要素も満載です。
麗子も風祭警部も手も足も出ない難事件をあっという間に解き明かす影山の推理力には毎回舌を巻くばかりです。
そして影山の毒舌ぶりも相変わらずでした。
「失礼ながら、お嬢様は相変わらずアホでいらっしゃいますね」
「ふざけんじゃないわよ、この暴言執事がぁ!」
「大変失礼ながら、お嬢様の単純さは、まさに幼稚園児レベルかと思われます」
「どこの誰が幼稚園児レベルですって!こう見えても優秀な大学を優秀な成績で御卒業なさってるっつーの!馬鹿にすんなー」
「ああ、お嬢様(中略)馬鹿も休み休みおっしゃってくださいませ」
「ええい、あんたって男はホント、クビになりたがってるとしか思えないわね!」
こんな感じで、毒舌執事とそれにキレる令嬢刑事の軽妙なやり取りがかなり面白かったです。
麗子も影山の毒舌の前では普段のお嬢様ぶりはどこへやら、ものすごくキャラが変わるんですよね。
影山の毒舌暴言は前作にも増して磨きがかかっているような気がしますし、麗子のキレっぷりもますますパワーアップしています。
物語を読んでいて「そろそろ影山の毒舌が出るかな?」と期待する場面が結構ありました(笑)
そしてミステリー小説だけに、謎解きも興味深かったです。
私的に印象的だったのが、「聖なる夜に密室はいかが」という話。
この事件で登場したトリックは興味深かったです。
それとちょうどクリスマスイブに起きた事件だったため、風祭警部が「事故死」ということに決め付けてさっさと捜査を終わらせたがっていたのもウケました。
本当に警部なのかという思考回路ですね
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
事件のほうは、雪が降り積もる殺人現場となった被害者宅、そこにあるのは被害者が自転車で帰って来た時のタイヤの後と、事件の第一発見者の足跡のみ。
雪の上に犯人の足跡がどこにもないのです。
空でも飛べないと被害者宅から脱出出来ないのでは?という密室殺人事件と化したこの事件、トリックが分かって「その手があったか!」と思わされましたね。
ある手段を使えば、足跡を残さずに事件現場から立ち去ることが出来たのです。
それと、毎回自信過剰なだけで全く役に立たない風祭警部。
事件捜査より麗子をデートに誘うほうに力を入れていることもしばしばです。
いつかこの人が役に立つ日は来るのだろうか?と思いながら読んでいましたが…
何と今回は意外なところで活躍の場面がありました。
もしかすると風祭警部生涯最初で最後の見せ場かも知れません(笑)
この続編の「謎解きはディナーのあとで3」も出ているので、次はそれを読んでみようと思います。
麗子と影山がどんな笑えるやり取りをしてくれるのか、今から楽しみです
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