しらの風景

自然と野鳥や生き物が大好き!自然の中には学びがいっぱい。
デザインの仕事をしながら、楽しく生きる智慧を探します。

映画『ダーウィンの悪夢』(3/24*土)

2007-03-24 | 映画大好き!
観たいと思っていた映画「ダーウィンの悪夢」を今日は観てきました。世界の暗闇の部分を、ドキュメンタリーで綴ってあるこの映画は、“ナイルパーチ”という魚を通してアフリカの貧困問題に行き着きます。観ていくと、問題はナイルパーチという魚にあるのではなく、先進国と途上国の問題であることが見えてきます。

富める国とは、奪う国。貧しい国とは、奪われている国。
そんな世界の縮図が見えてきます。

一番の犠牲者はアフリカの子どもたちでしょう。食べ物を奪い合って殴ったり殴られたり。貧しさから這い出せない仕組みは、小さい頃から弱肉強食のような暴力に囲まれた社会を作っていきます。お金や経済が成り立つ場所に(例えばそれが今回のビクトリア湖周辺)たくさんの人が殺到し、そこで売春、エイズ、ストリートチルドレン、ドラッグ、環境破壊が繰り広げられる。生きるためには手段を選べない環境。誰もが勉強し、少しでもいい職に就きたい!と願う彼ら。働く場所は周り中が、命の危険にさらされているのです。日本で生活していると、ピンと来ないそんな環境がこの映画を観ていると伝わってきます。

そしてEUやアメリカと共に、日本もこのナイルパーチを輸入し、消費しているという現実。現地では輸出された後のナイルパーチの残骸が、多くの人の食べ物になる。世界は今や、全ての問題が貧富でつながっているのかもしれない。そんな食べるものさえ困っている国に、運ばれてくるのはアフリカの紛争のための武器。グローバリゼーションがアフリカの大地を食い物にしている現実!

ため息の出るようなこの映画なのですが、やっぱりまず、こんなふうな事実を知る大切さ!を感じます。そして、自給自足が無理なら、なるべく地元で作られるものを食べる。(これがエネルギー問題に貢献!他の土地の作物を奪わない!のです)

生活の中でできることは、きっと日本の私たちにはたくさんある。この映画は悲劇だけれど、だからこそ私たちが次の一歩を踏み出すエネルギーにもなるのだと思うのです。