ブータンに日本の蝶の専門家たちが、幻の蝶を探しに行く・・
という番組を、先ほどNHKでやっていたので興味深く見ました。
昨日、ブータンの写真展を見に行ったのでまるで偶然のような番組。
40年前までは国交を閉ざしていたこの国は
独特の文化を持ち、それを大切にしています。
蝶の専門家たちは、きっとこの幻の蝶はブータンの
原生林に住んでいるのだろうと想像するのですが
実際に現地の人の案内でその蝶が生息する場所に行ってみると、
その場所は人が暮らす村のそばだったのでした。
*幻の蝶、ブータンシボリアゲハ。
*限られた時間の中で産卵の様子まで発見することができました。
*これがブータンシボリアゲハの幼虫。
5軒80人が暮らす近くの村では、
冬の薪のために5本の木を切り倒しますが
人の胸以上の高さで切るので、その木は生き続けて
また新たな枝を伸ばし続けます。
木が切られて明るくなった森に、この蝶の
食草のカンアオイが育っているのがわかりました。
「森があるから我々は生きていけるし、
他の生きものたちも生きていける。
木は必要最低限しか切らない・・・」現地の人の言葉は、
私が今まで知って来た先住民の考え方と同様のものでした。
自然の恵みの中で共に生きる・・このルールは、
本来、我々人類が守るべき掟だったような気がします。
そのルールを無視した中で暮らす我々と、
そのルールの下で生きている彼ら。
どちらが賢い生き方なのかは云うまでもありません。
そんな後者の生き方に、いつも私は強く惹かれてしまいます。
この貴重な蝶がいることを、ブータンの環境の
専門家を目指す若者たちに手ほどきする日本の一行たち。
その国の自然や生きものを保護していくのは彼らなのです。
ヒマラヤを望むブータンという国の自然環境と森の素晴らしさ、
日本の蝶の専門家たちが託す思い、この蝶の存在を通して
自国の素晴らしさを改めて知るブータンの人たち。
自然と人の理想的な暮らしがブータンにはありました。
愚かな先進国がここから学ぶことできれば素晴らしいのですが・・。
久しぶりにいい番組を観た満足感がありました。