最近、読み終えたのはこの本です。
以前から気になっていたのを図書館で見つけて読みました。
高知県四万十町に仕事で通っていますが、
その場所にブッポソウ用の巣箱を掛けたところ
昨年はその巣箱でブッポウソウが子育てをしました。
今年はアオダイショウに卵やヒナが飲まれてしまい失敗。
それでもブッポウソウの姿を何度か見かけました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/d8/e73bfea3baf57da097e7a5586a627110.jpg)
*昨年は無事に巣立ったブッポウソウのヒナ。
もっとブッポウソウのことが知りたい!と思っていたのでした。
石川県で見れるとしたら白山方面か舳倉島、私は久しく見ていません。
絶滅の危機に瀕しているこの美しい鳥、ブッポウソウ。
本の印象に残ったことをピックアップしてまとめてみました。以下。
「甦れ、ブッポウソウ」 中村浩志著
本来の生息地は「ブナ林のある里山の森」
= 人間によって伐採を繰り返され二次林に変質し、
日本の森の古くからの住人だった鳥たちが住み場所を追われる。
その代表がブッポウソウ。
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追われて選んだのが「鎮守の森といわれる神社やお寺の境内」。
しかし、鎮守の森が森でなくなりつつある。
(駐車場やゲートボール場に変化、周辺の宅地化=エサ不足)
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次に移り住む場所として選んだのが、
「橋や鉄橋、家屋、木の電柱などの人口構造物」。
同じく森を追われたアオバズクやオシドリとの巣穴をめぐる争い。
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木の電柱が消え、人が掛けた「巣箱で繁殖」= 手入れが必要。
たくさんの巣箱を掛け続けるのは大変な労力。
いつまで人が巣箱を掛け続けるのか?
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ブッポウソウが人の手を借りずに繁殖できるようにするには
日本本来の里山の森を再生していく以外にはない。
ブッポウソウは、千年にわたって霊鳥として多くの詩歌に詠まれてきた鳥であり、日本人と長い間共存してきた鳥。ここ40~50年の間に絶滅の危機に追いやられている意味を考えてみるべき。日本人にとってかけがえのない何かを、急速に失っている事実を示しているのではないだろうか?
日本は本来、森の国。
里山と奥山を使い分けることを基本にした日本文化の重要性に気づく!
*日本のライチョウ
=人を恐れない。1mまで近づける
=日本の文化として、奥山のライチョウは霊鳥として扱われてきた。
*欧米のライチョウ
=人を恐れて100m先にいても逃げていく=狩猟鳥である。
里山は人間の領域として活用、奥山は神の領域とする。
=日本文化の基本的な自然の利用形態が確立され、これが日本の原風景といえる。
*私たちはどうしたら失われつつある「日本の原風景」を取り戻すことが出来るのでしょうか。原風景を守ることのできるひとつが、トラスト活動に通じているように感じます。欧米のように人が自然を支配する生き方ではなく、八百万の神が存在したように自然に寄り添う生き方が日本本来の生き方ではなかったか。あとは里山の再生。経済ばかりを追い求めるのではなく、田畑を大切に自給率を上げることが、この国には必要なのではないでしょうか。最近は地球規模での大災害が起きています。他国を頼っている場合ではありません。そこにはTPP問題や原発を含むエネルギー問題を一人一人が自分の問題として考えていく必要があると感じました。