なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脾臓の低形成?

2014年08月20日 | Weblog

 60歳男性が昨日の早朝fに発熱で救急外来を受診した。当直医は外科医だった。白血球増加があり、CRPは陰性だった。細菌感染症の超初期の像なのかもしれない。肺炎・胆道感染症・尿路感染症はなく、NSAIDのみ処方された。日中は自宅で経過をみていたが、その日の当直帯に入ってすぐに再受診した。血圧が70mmHgと敗血症性ショックと思われた。当直医は整形外科医で輸液をして内科の当番医師に連絡した。血液培養後に抗菌薬(メロペン)が開始された。腎機能障害や血小板数減少(10万)もあった。

 今朝には解熱して血圧も100ちょっとに回復していた。点滴スタンドを引っ張って廊下を歩いていた。胸腹部CTで脾臓が有意に小さかったので、担当医が免疫グロブリンを検査するとIgGが低かった。

 以前、脾臓摘出術後の患者さんが外科に入院していて、コンサルトされた。頸椎偽痛風に敗血症を併発して、血液培養から肺炎球菌が検出された。肺炎球菌ワクチンは接種されていなかった(確か脾摘は大学病院で受けた)。NSAID(セレコックス)と抗菌薬(セフトリアキソン)で解熱軽快した。

 今回の患者さんは脾臓摘出後ではない。脾臓低形成というべきなのか(定義はあるのか?)。感染巣の検索として心エコー(経胸壁)を行ったが、疣贅はなかった。脾臓摘出後では、明らかな感染巣を認めないこともあるという話を主治医がしていた。脾臓が小さいといっても、60歳まで無事に過ごしていた。ただし。今月から皮疹があり、皮膚科で類天疱瘡と診断された、プレドニン30mg/日が開始されて、易感染性状態だったことが関係していると推定された。

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