食欲不振で86歳男性が受診した。膵嚢胞の手術歴があり、膵癌が疑われたようだが、結果的には悪性ではなかった。その後1回腸閉塞で短期間入院した既往がある。また内科クリニックで糖尿病の治療も受けていたが、血糖コントロールは悪く、といってインスリン導入もためらわれるということだったようだ。
胸腹部CTで心嚢液が軽度だが貯留していた。心臓の背側である後縦隔に食道に接して(食道からの進展も否定できず)、腫瘤があった。2年前のCTにはなかったものだ。食道癌の有無を上部消化管内視鏡検査で確認するとして、悪性リンパ腫の可能性もある。LDHが550と高値で、悪性疾患を示唆しているようだ。あとはIL2受容体抗体を含めて腫瘍マーカーを提出する。今日のCTは単純だけだったので放射線科医と相談して、改めて造影CTを再検予定となった。さて、何だろう。