なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

結腸憩室炎

2017年10月06日 | Weblog

 45歳の男性が午後の内科外来を受診した。昨日内科新患(大学病院からの出張医師担当)を受診していた。症状が悪化したのかと思って診察した。

 一昨日から上腹部の張った感じがして、軟便が2回でたそうだ。嘔気はなく、食事摂取はできて、食事による悪化はないそうだ。昨日になって頭痛がしたので体温測定したところ38℃あったので受診したそうだ。

 血液検査で白血球増加・CRP上昇があった。軽度の肝機能障害があり、血清アミラーゼは正常域。腹部エコーでは脂肪肝のみで、胆道系の異常はない。虫垂は描出できないと記載されていた(検査技師のエコー)。痛みが右下腹部に移動すれば虫垂炎の可能性があること、感染性腸炎の可能性があることを説明された。

 重症感はなく、患者さんも入院治療を希望しなかったので(患者さんは勧められなかったと言っていたが)、外来で抗菌薬内服で経過をみることになっていた。CTまで行ってもいい状況ではある。

 アセトアミノフェンも処方されていたので何ともいえないが、今日は朝から発熱はない。腹部症状の悪化もないが(むしろ良くなったそうだ)、感染性腸炎と言われたのが気になって、子供にうつるかどうか心配になって再受診したそうだ。見かけはごついが、家族思いのやさしい父親なのだった。腹部は平坦・軟で圧痛はなかった。軟便が2回あったが、水様便はないそうだ。便は普通便で血便ではない。

 連休になるし、鑑別のためにもCTを撮りませんかと勧めると同意された。体格がいいので、単純CTでも充分読影できると判断された。実際読影しすいCT像だった。虫垂は正常だった。結腸肝湾曲で腸管壁肥厚と周囲脂肪組織の炎症像がある。部位は典型的ではないが、憩室炎のようだ。

 入院して絶食点滴・抗菌薬投与を行うべきか迷った。入院が無難ではあるが、何しろ元気で重症感はまったくない。歩いても腹部にひびいたりはしていない。外来治療で経過をみて、連休明けの受診でいきますが、と言うと同意された。連休中に症状が増悪した時はすぐに入院のつもりで受診してもらうことにした。軽快していれば連休明けに受診とした。うまく軽快してほしいが、どうなるか。

 

コメント (1)
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