なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

卵巣癌?

2017年10月26日 | Weblog

 昨日、山間部の診療所から85歳女性が紹介されてきた。紹介理由は右胸水貯留と下肢の浮腫だった。2か月目の8月から食欲が低下して、便秘がちになったそうだ。1か月前から下肢の浮腫(両側下腿~足)が続いていて、利尿薬で経過をみていたようだ。

 主に外来を診てもらっている内科の年配の先生が診察してくれた。腹部エコーと腹部(単純)CTで肝内に転移を判断される腫瘤(腫瘍)が5か所あった。右胸水と腹水貯留もある。CEAは正常域だった。

 胃癌・膵癌・大腸癌疑いで、卵巣癌の疑いもある。便秘がちということでは大腸癌が疑われるが、CEAと追加したCA19-9は正常域だ。やせている方で便の貯留もあり、単純CTでは判読できない。CA125が589と著増していた。腹水で腹部全体が白っぽく見えて、卵巣は腫瘍指摘しがたい。放射線科のレポートには「可能なら造影CTを」とあった。炎症反応上昇はごくわずかで、右肺の胸水は感染症らしくない。

 家族(連れてきた息子さん)は入院希望だった。食事摂取がかなり少ない。苦痛を伴う検査はしないでほしいということだった。腎機能はほぼ正常域なので、造影CTは行うことにした。可能であれば腹水細胞診も行う。

 今日造影CTを行ったが、腹腔内に明らかな腫瘍は指摘できなかった。診断のためには上部・下部消化管内視鏡検査を行うへきだが、下部はきついかもしれない。上部だけやらせてもらうか。

 

 

 

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