昨夜、30歳女性が血便で救急外来を受診した。昼食後(お店でお好み焼きを食べて30分経過して)に別の店を見ているときに、急に下腹部痛が出現して、気が遠くなるほどだったという。その後に血液混じりの下痢便があり、3回続いたそうだ。同居の家族(父親と子供)は特に症状はない。思いあわる食事もないらしい。1日前に生理出血が終わっていた(規則的なもの)。
別の患者さん(高齢者のラクナ梗塞)で呼ばれたので救急外来に診に行った。合わせて腹部CTが終了したこの患者さんも診た。腹痛(下腹部正中)が続いていた。腹部自体は平坦・軟でその部位に圧痛があるが腹膜刺激症状はない。女性の当直医(大学病院からのバイト)が直腸指診を行うと、淡く血液が付着していた。CTでは直腸からS状結腸壁がやや肥厚しているようにも見えるが、回盲部~下行結腸には異常がない(放射線科の読影では指摘されず)。
感染性腸炎のような経過だが、すっきりしない。虚血性腸炎をきたす年齢ではないと思うが(自分の虚血性腸炎最年少は42歳)、否定もできない。憩室炎・憩室出血ではない。
入院して点滴と鎮痛薬(アセリオ)で経過をみることにした。夜間は検査技師がいなかったので、今朝勤務時間近くになってから便培養を提出した。その後有形の普通便が出て、表面に血液が付着していた。入院後は血便(鮮血便)が少し出た。潰瘍性大腸炎の始まりとか、いろいろ考えられるが、明日症状が回復しなければS状結腸まで内視鏡でみてもらうか。
CTは胸腹部行われたので、肺も撮影されていた。咳・痰・発熱はないが、左肺野に区域性に淡い浸潤影が散在していた。これは下腹部痛と関連はないと思うが、なんだろう(肺炎にしかみえないが)。
今日は大学の同門会(支部会)があるので、少し早く出かけることになる。今回はこの地域が幹事役で、総会・講演会の司会を頼まれた。