なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

慢性+急性硬膜下血腫

2019年08月09日 | Weblog

 午前6時過ぎに87歳男性が救急搬入された。昨日に日中から体調が悪いと感じていて、かなり汗をかいたそうだ。早朝から嘔気とめまいがあり、動けなくなったという。

 何だかこのごろ続いている高齢者の熱中症のような症状でもあった。当直医は循環器科の若い先生だった。脳外科で硬膜下血腫の手術を受けた既往があった。頭部CTで左右に慢性硬膜下血腫の吸収像があった。特に新規の変化なしと判断したようだ。

 ちょうど検査が終わるころに診療が始まったので、内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が神経内科志望で詳しいので、引き継ぎをした。

 頭部CTで右頭頂部に高吸収域に気づき、まためまいの訴えが回転性だったこともあり(小脳脳幹部梗塞疑い)、頭部MRIで確認することにした。新規の小脳脳幹部病変(梗塞)は指摘できないが、右頭頂葉に新鮮な血腫が三日月状に認めた。

 頭部打撲の有無を訊いたところ、昨日後頭部を打撲したと返答した。慢性硬膜下血腫に急性出血が加わったようだ。手術したのは県内有数の総合病院で、連絡したところ引き受けていただき、救急搬送になった。

 頭部MRIのFLAIR像で見ると、出血もよくわかる。これは脳外科でも保存的に診るのだろうか。

 

 熱中症様の症状でも、高齢者の場合は、症状が麻痺として出にくい脳血管病変のこともあるので、頭部CTの適応も考える必要がある。

 

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