11月22日(金)は当直だった。23日(土)午前5時に救急搬入依頼がきた。3つ隣の町にある施設に入所している80歳代半ばの男性の発熱・酸素飽和度低下だった。
前日の夜間から酸素飽和度低下があり、施設内で酸素吸入3L/分を開始していた、朝方になって飽和度がそれでも80%台前半と上がらず、施設で救急要請した。
認知症・廃用の患者さんの誤嚥性肺炎が疑われる。気管挿管・人工呼吸は行わない方針になるが、家族はどう考えているのだろうか。訊いてみると、ちょっとお待ちくださいといわれたが、すぐにそこまでの延命処置は希望しません、という。
救急隊で施設職員に訊いただけのようで、家族の考えではないかもしれない。搬入後に改めて相談になるが、来てもらうことにした。(地域の基幹病院の近くだが、最初から搬入依頼しないことになっているので、おそらく連絡はしていない)
酸素吸入3L/分のままで搬入された。酸素飽和度が80%代後半になっていた。血液ガスでは二酸化炭素分圧が高く、基礎にCOPDがあるようだ(喫煙歴あり)。酸素吸入量を上げたが、酸素飽和度は90%前後(88~92%)を目標にした。
胸部X線・CTで両側肺の背側に浸潤影を認める。食事で明らかなムセはなかったというが、急な発症と肺炎像の分布からは誤嚥性肺炎が疑われる。体温は37.5℃で、高熱を来す体力はないのだろう。
施設には昨年5月に入所したので、施設生活は1年半になる。右大腿骨頸部骨折で手術した既往がある。やせていて、介助で車いすの生活だった。
行うとすればNPPVだが、それも装着されるのは苦しい(喀痰吸引も困難になる)。装着後に最期まで外せなくなる可能性がある。病院に来た妻と相談して、酸素吸入・抗菌薬・点滴で経過をみることにした。
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