今日の内科新患は内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が診ていた。高熱で受診した24歳女性が菊池病ではないか、と相談された。当方は内科再来を診ていたが、お盆の期間でいつもよりは予約が少ないので余裕があった。
患者さんは39~40℃の高熱で受診した24歳女性で、前回入院の時に担当した方だった。膀胱尿管逆流症があり、以前片側の手術をされたが、手術していない方の膀胱尿管逆流から急性腎盂腎炎になった。
尿培養で腸球菌(Enterococcus faecalis)が検出され、複雑性尿路感染症らしい菌だった。手術をした病院の泌尿器科に紹介していたが、今月末に手術予定になっていた。
今回は3日前の日曜から高熱があって、尿路感染症と思ってそちらの病院を受診していた。セフェム系第3世代の抗菌薬内服を処方されたが、高熱は続いていた。
今日の尿検査では尿混濁はなく、尿検査で亜硝酸塩・白血球反応は陰性で、細菌も陰性だった。尿路感染症の発熱ではない。発熱以外の症状としては、前頸部リンパ節~下顎リンパ節の腫脹があり、圧痛があった。扁桃は発赤があるが、白苔はない。肺炎もなかった。
表在エコー検査を行うと、頸部~下顎部のリンパ節が多数(左右それぞれ20以上)腫脹していて、最大は左下顎部のリンパ節で28㎜×8mmだった。
血液検査では、白血球減少(3600)、肝機能障害(AST 172・ALT 79・LDH 333・ALP 271・GTP 43)を認めて、CRPは1.8と軽度上昇だった。血沈は検査してなかった。溶連菌とインフルエンザウイルスの迅速試験は陰性。
確かに亜急性壊死性リンパ節炎(菊池病)が考えらえる。念のため、血液培養2セットと尿培養を提出してもらって、プレドニンを開始することにした。尿路感染症を来しやすい方なので、抗菌薬内服も併用とした(前回の尿培養を考慮してAMPC)。
プレドニンの使用量と期間はフィーバー國松こと、國松淳和先生の推奨で行うことにした。プレドニン30mg/日から開始して、5日おきに5mgずつ漸減する、30日投与のコースだ。