なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

またジェイゾロフト

2019年10月09日 | Weblog

 先週の土曜日の日直の時に、77歳女性が食欲不振・倦怠感を訴えて受診した。この方の夫が8年前に肝硬変・肝細胞癌で亡くなったが(70歳)、当方が担当していた。

 専門病院でもう治療は限界といわれていた。首都圏に住んでいたが、息子夫婦(長男だがお嫁さんの家の養子になった)が当地に住んでいるので、夫婦して引っ越してきていた。

 夫が亡くなった後に息子夫婦と同居していたが、昨年10月にひとり暮らしになったそうだ。それから食欲不振・倦怠感が続き、めまい・頭重感などもあるという。とめどなく、症状を話し続ける。

 電子カルテには問題のある患者さんにはマークが付いていて、この方にも付いていた。クリックして見ると、「症状を話し続けて、泣き出したり、怒り出したりする」とあった。

 脂質異常症で通院していた内科クリニックの他にも、2か所の内科クリニックを受診していたそうだ。「あそこは検査だけする。あそこは若い先生で頼りない(代替わりした息子の先生)」などと不満を言う。何だか他罰的で、可愛い気がないのだった。クリニックの外来では、話を打ち切りたくなるのだろう。

 先々週の土曜日にも受診して、点滴希望ということで点滴と安定薬の頓用の処方のみしていた。入院が多く忙しい日直だったので深入りはできなかった。

 腫瘍マーカーを含む血液検査と胸腹部CTでは異常を認めなかった。ひとり暮らしになったのを契機にうつ状態になっていると判断された。抗うつ薬(ジェイゾロフト)を開始して、(休日の外来は数日分しか出せないので)昨日の火曜日に平日の外来に来てもらうことにしていた。

 すぐに抗うつ薬が効くわけもなく、できれば入院させてほしいという。入院でかえってこじれてしまう可能性、さらには問題患者化してしまう可能性も危惧されたが、ひとり暮らしなので入院とした。

 入院して、ジェイゾロフト初期量と安定薬(いつものリーゼ)を継続して、希望の点滴(1本のみ)で経過をみることにした。案外食事摂取はできて、歩き方も外来でみた時よりはしっかりしているようだ。

 2週間から4週間の入院を見込んでいるが、もっと早く外来に戻せるかもしれない。「ジェイゾロフト友の会」がまた増えたことになる。

 本来は精神科の対象だが、当地には精神科病院がひとつだけで、このような患者さんは入院にしてもらえない。自殺企図があるわけでもなく、「心気症・うつ状態」と表現した方がいいような患者さんは外来通院になってしまう。

 

 

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