昨日は暑かった。94男性がひとりで畑仕事をしていて、倒れているところを発見された。救急搬入された時には、救急隊も含めて、熱中症と判断していた。
意識はぼんやりしているというだけで、他に症状はなかった。救急当番は循環器科医だった。点滴をして救急搬入患者さんとして検査を進めていた。
心電図も一般的な検査として行われたが、Ⅱ・Ⅲ・aVFでST上昇があった。異常Q波もある。(Ⅰ)・aVLで鏡面像のST低下を認めた。右冠動脈閉塞による下壁の急性心筋梗塞だった。
高齢ではあるが、緊急でPCIが行われて、右冠動脈(#2)の100%狭窄があった。(当院の循環器科は平日時間内のみ対応可)
畑で倒れたのは急性心筋梗塞が発症したからではなく、熱中症そのものだった可能性がある。倒れて結果的にはよかったということなのかもしれない。
救急搬入された患者さんには100%心電図検査が行われるが、熱中症疑いとして家族の車で連れてこられた場合は、血液検査と点滴だけの指示になるかもしれない。
急性冠症候群の講演会で、循環器科の先生が、外来診察の時は必ず心電図をとると言っていた。たとえ訴えが嘔気でもなんでも、心筋梗塞を見逃すと恥ずかしいので、心電図をとるそうだ。
侵襲がない検査なので、心電図をとりまくってもいいのかもしれない。